夢ナビ 夢ナビ

TOPへ戻る

講義No.11039

患者さんの「物語」を聞くことが看護になる

リハビリの語源は「復権」

 脳卒中は、脳の血管が破れたり、詰まったりすることで、脳の神経細胞が障害される病気の総称です。発症すると、手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残ることも少なくありません。そのような後遺症を持つ患者さんが生きがいを再発見して、元気を取り戻すために行うのが「リハビリテーション」です。リハビリテーションの語源はラテン語の「復権」です。宗教から破門された人が破門を解かれて戻るという意味があり、現代では患者さんが社会復帰するための取り組みです。

看護師が患者さんと面接する?

 脳卒中に対する患者さんのイメージやとらえ方は、人生経験や考え方などによってさまざまです。「治らない病気だからリハビリは頑張らない」「家族にやさしくしなかったから病気になった」など、それぞれに「脳卒中の物語」があり、そのために回復とは違う方向へいったり、さらに苦しみを抱えたりします。そこで看護師が患者さんと面接をして、その人の思いや考え方を聞き、辛さを共有したり、行動を理解したりすることが推奨されています。身体面だけでなく、精神や心理状態、社会的立場などの多側面から患者さんを把握して治療方法を考える医療「語りや対話に基づく医療(ナラティブ・ベイスド・メディスン)」です。

「物語」を聞くことが看護になる

 具体的には、今、患者さん本人にとって大切なものを5つ挙げてもらい、それぞれの満足度を円グラフに示してもらいます。そのように語ることによって、患者さんにとって大切なものの意味づけが変わってきます。意味づけができると、いろいろな出来事が了解できて、病気や後遺症という事実を受け入れられ、リハビリにも積極的になれるのです。
 また医療者側も、患者さんの考えや行動を理解し、具体的な支援方法を発見できます。趣味が大事なら、どうしたらそれができるようになるか。お酒が好きなら、どの種類をどの位なら飲んでもいいかなどを一緒に考えられます。患者さんの病気という物語、人生という大きな物語を聞くことが、看護になるのです。


この学問が向いているかも リハビリテーション看護学、成人看護学

東北福祉大学
健康科学部 保健看護学科 教授
中村 令子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 看護学は学際的な学問で、心理学・芸術学・統計学など、多くの専門分野の成果を取り入れながら独自のケアを開発し、直接患者さんに届けられることが一番の醍醐味(だいごみ)です。また、人生経験が豊富な患者さんから多くのことを教えていただけることも魅力です。
 あなたがこの分野をめざすなら、まず自分に関心を持ってください。睡眠時間・体重の変化・食事の偏りなどに気づくことが、他の人を理解し、支援することに繋がります。そして、学生時代に好きなことを見つけて思いきり楽しんでください。きっとあなたの力になると思います。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃、脳や心臓は一体どうなっているんだろうと、自分の体の構造や機能に興味を持ちました。そこで、周囲に医療従事者がいたこともあり、看護の道に進みました。最初に勤務したのは、毎日重症者が救急で運ばれてくる脳神経外科の病院です。患者さんは手術をして数日経つと転院していきますが、ある時、パジャマ姿しか知らなかった患者さんが、別の施設で私服を着て杖をついて歩いているのを見て、衝撃を受けました。退院後の生活をより良くするために、もっとできることがあるのではないかと思ったのが今の研究のきっかけです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

看護師/保健師

大学アイコン
中村 令子 先生がいらっしゃる
東北福祉大学に関心を持ったら

 東北福祉大学では、建学の精神である「行学一如」(理論と実践の融合)を目指し、キャンパス内にある附属病院「せんだんホスピタル」や介護老人保健施設「せんだんの丘」、幼稚園や保育所等の関連施設で様々な実習を行っています。実学臨床教育やインターンシップを行い、より現場に近い教育を実現します!福祉・マネジメント・子ども・医療・リハビリをキーワードに4学部9学科で構成されている「福祉の総合大学」です!

TOPへもどる