夢ナビ 夢ナビ

TOPへ戻る

講義No.11036

AIでダイエット! 人生100年時代を支えるデジタル医療

長寿社会だからこそデジタル

 2019年の日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳と世界トップレベルです。その背景には医療技術の進歩がありますが、膨らむ医療費は国の財政を圧迫しています。医療費を抑えるためには、病気になりにくい体にし、病気の兆しを早く見つけることが重要です。しかし、病院の待ち時間の長さや、忙しい、面倒くさいという理由から、重症化するまで診療を受けない人もいます。その解決策として注目されるのがデジタル技術と医療技術を融合した「デジタル医療」です。

食事を撮影するとAI栄養士が助言

 人工知能(AI)の活用やスマートフォンのアプリの研究が進んでいます。例えばAIがダイエットを手伝う食生活・健康管理アプリが開発されています。具体的には、スマホで食事を撮影すると、カロリーや栄養素が自動計算され、「AI栄養士」による採点や、食生活などの助言が受けられる仕組みです。自分をモニターし、ゲーム感覚で楽しく健康管理が実践できるのです。ある調査では、このアプリによって1カ月で平均4キロ痩せるという成果が得られました。減量の結果、薬代を減らせた人や、薬がいらなくなった人も現れました。

眼鏡から「食べないで」の警告?

 ただ、採点や助言をもらっても、AIの言うことを聞かなければ意味がありませんし、食べた後より、食べる前の指導の方が効果は期待できます。将来的には、食事を見ると、これ以上食べないように注意が表示されるウェアラブル眼鏡のようなものも実現するでしょう。
 ゴーグルを着けることで仮想空間に入れるVR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)なども医療や予防医学、ヘルスケアの現場を変えようとしています。ポケモンGOのように、実際にゲームが人々の行動を変え、健康増進につながった例もあります。医療技術の地域間格差をなくすロボット手術やオンライン診療の導入も進みます。他分野の専門家や企業と手を組むデジタル医療の進化が、人生100年時代を支えていくと言えるでしょう。


この学問が向いているかも 医学、予防医学

金沢大学
融合研究域 融合科学系 教授
米田 隆 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 医療の世界への入り口は、医学部だけとは限りませんし、理系でないといけないわけでもありません。さまざまなものをインターネットでつないで活用する「IoT(モノのインターネット)」、医療機器、法律なども関連します。どの科目を重点的に勉強しようかと考える前に、社会の問題をよく見てほしいです。自分はどんな課題を解決したいのかを考えるのです。
 人生100年時代です。最初の10年余りですべてが決まるわけではありません。しっかりとやりたいことを見つけていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 専門は代謝・内分泌学ですが、国民皆保険制度など国の財政難を考えるにつれ、深刻な病気になる前の予防医学や健康医療が重要だという思いは強くなっていきました。日本人の寿命は伸びていますが、今のままでは「国が借金を抱えながらの80歳社会」です。「人生100年時代」に向けて、仕組みから変えていきたいと使命感を持ちました。デジタル医療はこれから大きく発展する将来性がある分野であり、必要不可欠な研究です。幅広い専門分野の方や企業とタイアップしながら、「日本を救う」という思いで取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

医療系ベンチャー企業の起業・就職/医療機器・医薬品メーカー/ヘルスケア産業

大学アイコン
米田 隆 先生がいらっしゃる
金沢大学に関心を持ったら

 金沢大学は150年以上の歴史と伝統を誇る総合大学であり、日本海側にある基幹大学として我が国の高等教育と学術研究の発展に貢献してきました。本学が位置する金沢市は、日常生活にも伝統文化が息づき、兼六園などの自然環境に恵まれ、学生が思索し学ぶに相応しい学都です。江戸時代から天下の書府とも呼ばれ、伝統の中に革新を織り交ぜて発展してきた創造都市とも言えます。「創造なき伝統は空虚」との警句を胸に刻み、地域はもとより幅広く国内外から来た意欲あるみなさんが新生・金沢大学への扉を共に開くことを期待しています。

TOPへもどる