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講義No.11034

子どもの「理科離れ」を止める科学教育のあり方とは

進む理科離れ

 現在、子どもたちの理科離れが進んでおり、教育学においても解決すべき課題の一つになっています。小学校時代は、多くの子どもたちが実験を通して理科を楽しく学びますが、中学校、高校と進むにつれて難解な用語が出てきて、計算もどんどん複雑になります。「なんのために理科や科学を勉強するのだろう」と思いながらも、進学のための勉強として割り切って考える人も少なくありません。しかし科学は本来、知識を暗記し解き方を覚えるだけの学問ではなく、私たちの生活や社会に直結しています。このことを子どもたちにいかに伝えるかが、とても重要なのです。

学習した法則を生活の中で見出す

 例えば家事は、化学の実験のようなものです。掃除に使う洗剤ですが、カルシウム汚れを溶かす酸性のものはトイレ掃除などに、タンパク質を溶かすアルカリ性のものは衣類の洗濯やお風呂を掃除する際に使われます。酸・アルカリのはたらきは小学校6年生で学びますが、非常に実用的な知識なのです。また日本は世界一の地震国です。自分が暮らす場所の地盤の地層はいつ頃できたものなのか、地震を引き起こすプレート境界がどこにあるのかといった地学の知識は、地震災害から自分を守ることにつながります。このように、学習した法則や原理などを身近な事例や現象に結びつけ、生活の中で見出すこと、それが科学を学ぶ意義や楽しさにつながるのです。

「科学の目」を養う

 世の中を見る「科学の目」を養うことも、理科教育の役割です。例えば環境問題で取りざたされる二酸化炭素は、木や紙といった植物由来の物質(有機物)が燃えることで発生します。しかし植物は本来、二酸化炭素を吸収し、水と日光の力ででんぷんをつくり、副産物として酸素を排出します。こうした働きのおかげで私たちが生きられることを知れば、植物がより大切に感じられるはずです。
 このように、社会や生活に深く結びついている科学の奥深さがより伝わりやすい授業プランやテキストをつくっていくことが、今後の科学教育がめざすべき目標であるといえるでしょう。


この学問が向いているかも 理科教育学、科学教育学

東北福祉大学
教育学部 教育学科 初等教育専攻 准教授
加藤 幸男 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 理科や科学に対して苦手意識を持つ人もいますが、理科は身の回りのたくさんのことに関係しています。まずは身近なところに科学の存在を発見する喜びを感じてほしいと思います。
 そして、あなたがその喜びを誰かに伝えたいと思うのであれば、ぜひ教師になることをおすすめします。この世界や自然を形作る科学の魅力に触れ、どうすればそれが子どもたちに伝わりやすくなるのかを考える。このような教育や教育研究の醍醐味(だいごみ)を、ぜひ私たちと一緒に追究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 中高生時代は数学が好きで、将来はこの面白さを子どもたちに伝えようと数学の教師をめざして教育学部に入りました。しかし、大学での数学に面白さを感じることができず、戸惑いもあったのですが、そんなときに理科教育を専門とする先生に出会いました。その先生から、自然界のさまざまな法則を通して現象を読み解くことの意義を学び、理科教育に興味をもつようになりました。その後は35年間小学校・中学校で理科を教え、そこで得た知見をもとに、現在は理科教育の研究に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

教諭(小中学校)

大学アイコン
加藤 幸男 先生がいらっしゃる
東北福祉大学に関心を持ったら

 東北福祉大学では、建学の精神である「行学一如」(理論と実践の融合)を目指し、キャンパス内にある附属病院「せんだんホスピタル」や介護老人保健施設「せんだんの丘」、幼稚園や保育所等の関連施設で様々な実習を行っています。実学臨床教育やインターンシップを行い、より現場に近い教育を実現します!福祉・マネジメント・子ども・医療・リハビリをキーワードに4学部9学科で構成されている「福祉の総合大学」です!

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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