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講義No.11030

なぜ汗をかくの? そのメカニズムと熱中症の研究

汗をかくこと、水分を保持すること

 普段から運動をしている人は、しっかりと汗をかくことができます。このような人の汗腺の能力は高くなっています。暑いところで運動をすることで大量に汗をかき、それによって汗腺が鍛えられていくのです。マラソン選手などは日頃からよく汗を流しているので、特に汗腺の能力が高いことが知られています。汗をかくことによって体の熱を放出できるので、日頃から汗をかいて汗腺を鍛えることは夏の熱中症予防にとても大切です。
 一方で汗をあまりにかきすぎると脱水状態になる危険があります。そのため夏の運動時には水分補給が欠かせません。しかし、飲んだ水分の一部は尿として排出されてしまいます。摂取した水分をどれだけ体内に残すことができるかということも、熱中症予防やオリンピックのような夏のスポーツには重要な研究課題です。

汗をかける人のメカニズムに迫る

 汗をかくことに関する実験には、室温や湿度を自由に調節できる実験室を使います(人工気象室と呼びます)。冬でも室温35℃という暑い環境や、サウナのような高温多湿の環境をつくることもできます。そこで、対象者に運動をしてもらい、汗の量や成分、体温や血圧などを測定していきます。薬理的な手法も駆使して、汗をたくさんかけるのはどうしてか、そのメカニズムを探ります。

学校で起こりやすい熱中症

 夏場に起こる熱中症は、体温を調節する生理機能が働かなくなることで起こります。特に、体育の授業や部活など、学校現場で起こる熱中症は解決すべき問題の一つです。子どもは体の生理機能が発達段階にあるため、それを踏まえた配慮が必要です。最近では、小中学校の数百人の生徒の体内の水分状態を尿から調べるなど、学校現場での調査も始まっています。また、暑い環境で運動を行い、その際に体を守る機能がどのように働くのかを検証する研究も行われています。これらの調査や研究を進めることによって、より画期的な熱中症対策を開発することが期待されます。


この学問が向いているかも スポーツ科学、健康科学

新潟大学
教育学部 保健体育・スポーツ科学講座 准教授
天野 達郎 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 具体的な目標や進路が決まっていなくても、勉強はしておくことをお勧めします。大学でも、高校時代の基礎学力がきちんと身についている学生ほどレポートや試験の成績、論文の読解力が良い傾向があります。今は小さな差だとしても、就職活動や試験、卒業研究といった重要な場面で、埋めがたい差になってしまうこともあるでしょう。
 本を読み、知識を吸収することも同じです。今は「こんな勉強が何の役に立つのだろう?」と思っていても、地道に取り組んでいたことは、大人になってきっと支えになってくれるはずです。

先生の学問へのきっかけ

 大学在学中に「なんとなく面白そう」と思って踏み出した汗の研究ですが、次第にその奥深さに熱中していき、今に至ります。スポーツ科学や生理学の分野ではメジャーな部類ではなく、どちらかというと地味に見える研究というのも、逆に強く引かれる理由の一つでした。また、姉の影響で陸上部に入り、学生時代は陸上に打ち込んでいました。夢中になって取り組んでいた陸上ですが、それが人体に興味を抱くきっかけになったのかもしれません。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

教諭(小・中・高)/消防士/銀行/製造メーカー/交通会社など

大学アイコン
天野 達郎 先生がいらっしゃる
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 新潟大学は教育面を最も重視し、学生が自らの専門を深く極めるばかりでなく、広い視野をもち、物事を総合的に判断する力を身につけること、及び実践と体験を通したきめ細かい教育を行うことによって、学生一人一人の個性を伸ばすことを目指しています。さらに、教養教育と専門教育を融合させた教育プログラムを提供し、特定の課題・分野の学習成果を認証したり、異なる学部の学生と教職員で構成されるグループが地域住民とのふれあいを通じて人間的成長を目指すなど、本学の理念である「自立と創生」に基づく学生育成を実践しています。

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