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講義No.11015

体内に入った毒をすばやく調べる方法を探る!

中毒症状を引き起こす、さまざまな薬物・毒物

 私たちは、医薬品などの薬物や家庭用殺虫剤、農薬、植物や動物が持っている毒など、さまざまな化学物質に囲まれて生活しています。覚せい剤や大麻のような違法薬物、農薬、動物や植物が持つ毒は、体内に入ってしまうと中毒症状を起こし、摂取量によっては死に至る可能性があります。また、本来治療に使う医薬品に関しても、大量に服用した場合や、2種類以上の薬を服用する際の飲み合わせが悪い場合などには中毒症状を起こしてしまうことがあります。

求められる簡便な薬毒物の測定方法

 中毒症状が見られる場合、正しい治療法の選択や、その後の経過予測のために、体内にある薬毒物の種類の特定と濃度の測定が必要です。覚せい剤や大麻、中毒を起こしやすい薬は、病院でも臨床検査技師が検査キットを使い種類を特定していますが、濃度を測定できる薬物はごく一部に限られています。また、キットで検出できない薬毒物の場合には、専門の機関でなければ分析できません。特に複数の薬毒物を分析するためには、多くの手間と時間がかかってしまいます。そこで、より早く、より簡単にさまざまな薬毒物を測定する方法、また複数の薬を同時に検出する方法が研究されています。

検出するのが難しい薬毒物も

 薬毒物の分析には、液体や気体に含まれるさまざまな物質を分離する「液体クロマトグラフ」や「ガスクロマトグラフ」という装置と、物質の持つ質量をとらえることができる「質量分析計」という装置を組み合わせた分析装置を使います。この分析装置で、血液や尿の中から目的とする薬毒物を分離し、質量をもとにターゲットを絞って測定します。
 しかし、分析が難しい毒薬物もあります。例えばキノコやフグなどが持つ毒の中には少量で死に至るものがあります。水に溶けやすい薬毒物には、体外に排出されやすいものもあります。これらの薬毒物は、血液中にはごく微量しか存在しておらず、検出することが難しいのです。こうした薬毒物を測定する方法についても、さらなる研究成果が期待されています。


この学問が向いているかも 臨床検査学

修文大学
医療科学部 臨床検査学科 講師
鈴木 隆佳 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 臨床検査学科では学生たちが臨床検査技師をめざして学んでいます。臨床検査技師の仕事は科学的な観点から人を助ける職業で、病院での検査の仕事だけではなく、警察の科捜研や製薬の仕事にも臨床検査技師の資格を持った人が働いています。
 この仕事をするために、今、学んでおいてほしい学問は生物と化学です。生物の体の仕組みに加え、薬品の分析には化学の知識が大切です。また、統計解析の際は微分積分などの数学の知識が、機械を扱う際は物理の知識が必要になります。今のうちにこれらの分野についてしっかり学んでおいてください。

先生の学問へのきっかけ

 私の体は、小さい頃からある種の薬に対してアレルギー反応を示してしまいます。皆さんにとっての薬が私にとっては毒になってしまう不思議さから、漠然と医学に興味を持っていました。臨床検査技師は、身近な人ががんになって手術をした時の検査で知りました。興味を持って調べたところ、心電図検査や血液、組織などの検査を通して医療に携わる職業であることを知り、この職業を選びました。臨床検査技師として働くなかで、薬物を測定する重要さと、未だ多くの薬物が簡単には測定できない現状を知ったことが今の研究につながっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

臨床検査技師(病院、検査センター、検診センター)/製薬会社研究員/衛生研究所研究員

大学アイコン
鈴木 隆佳 先生がいらっしゃる
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 修文大学は医療系大学へと進化!今後ますます必要とされる地域医療や在宅医療の知識に長けた管理栄養士を養成する「健康栄養学部 管理栄養学科」、最新の医療知識と技術を備え、看護支援地域の医療に貢献する看護師を養成する「看護学部 看護学科」、必要な知識・技術だけでなく、医療科学者として探究心を大切にし、医療チームから高く信頼される臨床検査技師を養成する「医療科学部 臨床検査学科」を設置しています。
 学院内の交流を活かした独自の学びで、多職種連携に必要なコミュニケーション能力を備えた人材を育成します。

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