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講義No.10989

困難を抱えた人が、植物を通じて共感と仲間を得られる「園芸療法」

植物や園芸作業の効果をリハビリに活用

 植物を育てたり、触ったりすることで癒やされ、安心感を得る人は多いでしょう。植物を育てることで体を動かし、成長を見守る中で仲間と共感したり、役割を果たしたりするなど、植物や園芸作業が人に与える効果をリハビリテーションに活用するのが園芸療法です。
 園芸療法の対象となる人は幅広く、心の病を抱える人、知的・身体機能に障がいのある人、加齢により心身機能の低下した高齢者、引きこもりの人、アルコール・薬物依存の患者、罪を犯して更生中の人などです。

体を動かし、仲間と共感する

 園芸療法では、支援対象者に合わせて、使用する植物、栽培方法、作業環境などのプログラムを組みます。例えば介護が必要な高齢者の方なら、あまり手間のかからないサツマイモを、立ったままでも作業ができるプランターに植えます。およそ5カ月後に収穫しますが、その間みんなで水やりをし、とれる芋の数を予想し、また、収穫したらスイートポテトを作って食べ、芋のつるでリースを作ったりします。これらの作業を通して、身体機能の維持だけでなく、お互いの得意分野を認め合い、仲間意識が芽生え、生きがいにつながるなどの効果を得ることができるのです。

引きこもりの人が自信を得ることで社会復帰へ

 引きこもりの人の社会復帰支援では、高齢者の園芸作業をサポートしてもらうこともあります。畑を耕したり、お水をやったり、お年寄りの体力では難しい作業を助けてもらうのです。引きこもりの人たちの多くは、実社会での体験が不足していることがありますが、土や植物に触れ、収穫し、調理や作品作りをするという体験が自信や達成感につながります。さらに高齢者は「若いのに感心だね」「ありがとう、いい子だね」など、とても温かい言葉をかけてくれるので、彼らの自己肯定感にもつながります。こうした園芸療法による支援の結果、長年の引きこもりから社会に復帰した人もいます。園芸療法は、人を笑顔にしながら、その人の優れた部分を引き出し、伸ばしていく場なのです。


この学問が向いているかも 社会園芸学

恵泉女学園大学
人間社会学部 社会園芸学科 准教授
澤田 みどり 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 人を支援する際に同じ思いを共有することが大切と言われますが、なかなか難しいことです。そんな時「このブルーベリーは甘いね」「このヒマワリきれいですね」と、植物を介することで心から共感することができます。例えばリハビリで腕をあげる訓練をする際には「あそこのリンゴを取ってください」と言えば、患者さんは喜んで手を伸ばすでしょう。
 あなたが、人の役に立つ仕事をしたいと思っているなら、園芸療法によって心からの共感を得ながら、人を支援することができます。ぜひ恵泉女学園大学で一緒に学んでいきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 幼い頃、入院中の祖父母のお見舞いに、道端で摘んだタンポポなどを持参していました。すると待合室でつらそうにしている方が、「かわいいわね」と笑顔で話しかけてくれるのです。その後、中学から短大時代に授業で園芸を学び、福祉のボランティアにも参加しました。車椅子を押しているとき、咲いている花の位置が低すぎて車椅子の方は触ったりできないと気づきました。短大の先生から「海外には車椅子の方用に高くした花壇がある」と教わり、園芸を福祉に生かせないかと情報を探していた中で、園芸療法の存在を知ったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院常勤園芸療法士/障がい者施設支援員/高齢者施設職員/花屋/園芸業者など

大学アイコン
澤田 みどり 先生がいらっしゃる
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 キリスト教、国際理解と平和、自然への慈しみの3つを教育の柱に据え、社会で自立し、活躍できる女性を育成します。全学年にわたる演習指導など、少人数教育が特色です。就職面では全学生との面談を通し、きめ細やかに支援しています。四季折々の花と緑に囲まれたキレイなキャンパスは、ドラマや映画の撮影にもよく利用されています。ぜひ一度、キャンパスにご来校ください。平日でも土曜日でもOKです。新宿から約28分、多摩センター駅からスクールバスで約8分です。お気軽にお越しください。お待ちしています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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