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講義No.10935

災害に正しく備えてペットを守ろう!

災害が発生、ペットはどうする?

 災害が起きて避難が必要になった時、ペットを連れて行くことになります。しかし、さまざまな人たちが集まる避難所の居室内に、ペットを連れて行くことはできません。動物たちは一カ所に預けられ、群飼育されるのが一般的です。動物を群れで飼育するとなると、衛生管理や感染症対策など、配慮が必要になります。この時、狂犬病予防接種が済んでいない犬は、預け先が見つからないこともあります。ペットブームの今、動物が人間社会で幸せに暮らすために必要なことについて、しっかり向き合わなければなりません。

これから進むシェルターメディスンの研究

 動物保護施設における群飼育の獣医療を「シェルターメディスン」と言います。まだアメリカで研究が始まったばかりで、災害が多い日本ではこれから研究を進める必要がある分野です。災害時の群飼育に備えるには、日頃のしつけも重要です。ただ「かわいい」という感覚だけで飼われ、むやみに吠えたり噛み付いたりする犬は、非常事態での群飼育を乱すことになりかねません。そのほか不妊去勢手術や予防接種、ワクチン、動物用の防災用品の備蓄も、飼い主の責任です。トレーニングやペット保険に入っておくことも欠かせません。ペットを飼うとはどういうことかを、動物福祉の視点からも考える必要があるのです。

動物の福祉が守られた上での「殺処分ゼロ」へ

 飼い主が責任を放棄して捨てられた犬が、山で野犬化し繁殖している事例もあります。殺処分ゼロが理想ですが、殺処分を避けようと、ただ大量に保護すればいいというわけでもありません。保護施設の十分なスペースの確保、衛生管理、トレーニングを行える人材などを整えた上で命を守り、譲渡へつなげることが重要です。ペット大国といわれる日本ですが、欧米と比較すると動物愛護の課題は山積みです。野良犬や野良猫にエサを与えることは、動物愛護ではありません。動物医療、動物福祉の正しい知識を団体や地域と共有し、広めることが求められています。


この学問が向いているかも 動物看護学、人間動物関係学

酪農学園大学
獣医学群 獣医保健看護学類 教授
川添 敏弘 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「動物が好き」という気持ちがとても大切な動物看護師という職業があります。病気になった動物や飼い主の心に寄り添い、獣医療技術の援助や動物の福祉を守る国家資格を持つ専門家です。そこには、獣医師とは別の方向から生命を見つめる力が求められています。動物が健康であることが人の幸せにもつながっていること、そして、その橋渡しをする大切な仕事が「動物看護師」なのです。現在、動物看護師は、捨てられたり被災したりする動物たちを救う役割としても注目されています。一緒に、「好き」の一歩先にある動物看護学を学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私は獣医師であり、臨床心理士です。まず酪農学園大学に入学して獣医学の面白さにのめり込み、獣医の資格を取りました。家畜の動物病院で勤めている時、牛と関わる人びとにも興味を持つようになり、大学院で心理学を専攻し、アニマルセラピーの効果について研究しました。その後、子どもが好きなこともあり幼児教育に携わるようになって、動物と子どもたちの関わりを研究しました。そうして、現在の動物看護の世界へたどり着きました。恩師や仲間の影響を受け、研究分野が広がっていったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

動物看護師/公務員/ペット保険/ペットショップ/動物園飼育員/大学職員/NPO職員/高齢者施設

大学アイコン
川添 敏弘 先生がいらっしゃる
酪農学園大学に関心を持ったら

 北海道の政治・経済の中心都市札幌から快速電車で10分、本学はそこに132haの広大なキャンパスを構えています。世界の人口が増幅を続ける中、40%前後の我が国の食料自給率は、今後ますます問題となるのは確実です。そうした環境下にあって、大地を健やかに育て、健康な食物を育み、それを食して健やかな人が育つ。こうした「循環と共生」をテーマに掲げながら、学生一人ひとりの個性や能力を最大限に引き出せるような教育を実践することを使命と考えています。

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