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講義No.10918

人々のつながりをデザインする「協働型まちづくり」とは

知恵を集めて未来を創る「協働型まちづくり」

 かつて瀬戸内のある自治体で、地域の観光名所や、施設などを案内する看板を作るサイン計画が持ち上がりました。従来なら行政や一部の専門家に任せるのが一般的ですが、この自治体では住民やさまざまな分野の専門家が計画に参加しました。そして、皆が参加するワークショップを計画し、住民の意見から課題を吸い上げ、知恵を出し合い、互いの得意分野を生かしながらサインづくりを進めたのです。こうした地域づくりのあり方を、「協働型まちづくり」といい、行政など限られたセクターが主導するよりも、住民目線や専門家のスキルを生かした魅力的な地域づくりが可能になります。

人々のつながりをつくる「ワークショップ」

 協働型まちづくりは、ハード面の整備だけでなく、ワークショップを通して多様な人々が出会い、互いに学び合い、成長します。そして、人々のつながりが生まれ、新たなコミュニティが形成されます。この人々の成長やつながりが、より良い地域社会をつくり続ける原動力となります。このようなまちづくりを支える人々のつながりを「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」と言います。このソーシャル・キャピタルを生み出すことが、協働型まちづくりの重要な役割なのです。さらに、住民自ら地域について考えることで、地域の魅力や価値を再発見し、地域に対する愛着や誇りを持てるようになります。

「大学生=ヨソモン」が地域資源を発見する

 地域には埋もれし資源がたくさんあります。しかし、住民はその魅力に気づけないことがあります。大学生が協働型まちづくりのプロセスに関わると、住民が気づけなかった地域資源を発見することがよくあります。大学生に限らずですが、ヨソモンの視点は重要です。このように、協働型まちづくりでは、多様な視点や価値観を持った人々が関わることが大切です。
 こうした地域資源を活かす協働型まちづくりは、高齢化と人口減少の危機にある地方の活性化に期待される「観光まちづくり」を推進する上でも重要な手法となっています。


この学問が向いているかも 地域経営学

福知山公立大学
地域経営学部 地域経営学科 教授
谷口 知弘 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校時代も、そして大学に入ってからも、いろいろなことに関心を持ち、恐れずいろんな人やモノ、コトに出会ってください。視野を広げて、その後の人生を歩むための地図を持ってほしいのです。
 まちづくりの分野では、事業をおこしたり、地域社会に働きかけたりしている若者もたくさんいます。さまざまな出会いや実践の機会もいっぱいあります。あなたはすでに、より良い社会をつくる力を持っています。「まずはやってみる」という姿勢で一歩踏み出してください。若いうちにたくさん失敗してください。その経験が成長の糧になります。

先生の学問へのきっかけ

 私は大学で工業デザインを、大学院で都市景観について学んだ後、プロダクトデザインの仕事をしていました。この分野ではモノが売れないと企業の存続に関わるため、ユーザーニーズを徹底的に探り、ものづくりに落とし込みます。しかし、大学の研究者となってある地域のサイン計画を頼まれたとき、ユーザーである住民のニーズという視点が抜け落ちていることに驚きました。それ以来住民や多様な立場の人が地域づくりに参画する協働型まちづくりのデザインプロセスの開発・実践に取り組んでいます。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方公務員/ITコンサルティング企画/銀行/住宅メーカー営業/人材サービス企画/インテリアメーカー営業/不動産営業/フードサービス/ホームセンター

大学アイコン
谷口 知弘 先生がいらっしゃる
福知山公立大学に関心を持ったら

 2016年4月に開学した京都の新しい公立大学です。地域経営学部は、地域社会の事業体が、地域社会のあらゆる資源を有効に企画・運営・管理することにより、地域社会づくりや創り直しに寄与し「持続可能な社会」の形成に貢献するための学修を行います。2020年開設の情報学部は、先端情報技術を地域の生活や産業のあらゆる分野に応用し、暮らしを豊かにして、社会の安定に寄与する地域モデルを構築するための学修を行います。両学部ともに、地域住民・団体と協働して学び、研究を深める「地域協働型教育研究」が学びの特徴です。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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