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講義No.10917

中国現代アートを切りひらいた「アイ・ウェイウェイ」って?

中国現代アートの始まり

 中国の美術家アイ・ウェイウェイは、社会運動の活動家という一面も持っています。アイは、文化大革命直後の1979年、前衛芸術家集団「星星画会」に加わりました。「星星美術展」では、彫刻家の王克平による「万々歳」をはじめ、中国芸術史に残る作品が発表されました。当時の社会や体制への批判を込めた作品が多いこともあり、中国当局による弾圧は厳しくなります。アイは、政府に失望を覚え、1981年中国から脱し、アメリカ、ニューヨークへと移りました。星星画会には、中国に残り活動を続けていたメンバーも多くいましたが、次第に当局による締め付けが厳しくなり、フランスや日本など、国外で活動せざるを得なくなりました。その後もアイと星星画会のメンバーとの交流は続き、展示や回顧展にも作品を出展しました。

アメリカでとにかく生活する

 アイは12年間のアメリカ滞在中、アートでは当然生活できず、いろいろな仕事をします。家屋の修繕から電気工事、映画のエキストラにベビーシッターまで、何でもやりました。また、アイは多くの報道写真を撮り、メディアに掲載された実績があります。しかし、あくまで「自分はジャーナリストではない」という姿勢を貫いていました。何かになるために活動していたのではなく、写真を撮ることやそれによって見える世界に興味があったのです。

真っすぐな鉄筋が表す悲劇とは

 2008年に起こった四川(しせん)大地震は、アイが訴えかけるテーマのひとつです。不正建築の校舎の倒壊によって、五千人もの生徒たちが亡くなりました。アイは作品でそれらの校舎の鉄筋を使用しています。「曲がった鉄筋をあえて真っすぐに直しても、子どもたちの命が戻るわけではない。でも、そうしないではいられない」という強い憤りや悲しみが込められています。このように、アイは作品を通して、中国政府に対して痛烈な批判を投げかけています。


この学問が向いているかも 現代中国文化学

埼玉大学
教養学部 教養学科 教授
牧 陽一 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校時代に勉強やスポーツに打ち込みすぎて、燃え尽きてしまう人もいますが、大学に入学することはゴールではありません。また、あなたに今、確固たる目標や得意分野がなくても、問題はありません。大学に進んでからで構いませんので、好きなことに取り組んでみてください。
 埼玉大学は「学んでみたい」や「打ち込んでみたい」と思える何かに出会える大学です。少しでもできることの幅を広げるために、今のうちにたくさんの文化や人に触れておくことをお勧めします。自分という個性を作ってください。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代、得意なものや明確な目標がありませんでした。そこで、好きな作家の出身大学に進学しました。「あまり人がやらないことをやりたい」という思いを抱いていたのを覚えています。先輩の勧めと社会主義への興味から、現代中国の文化に触れるようになりました。在学中の中国留学では、日本で聞いていた中国の状況と、実際の状況が全く異なるということを知りました。インターネットで情報を目にしたり耳で聞いたりするだけでなく、現実に触れてみることは、世界を広げるきっかけになると思っています。

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牧 陽一 先生がいらっしゃる
埼玉大学に関心を持ったら

 埼玉大学は、総合大学として有為な人材を育成する、首都圏大学として社会とリンクし還元する、世界に開かれた大学として国際交流を推進する、の3つが特色です。TOEIC600点を目標に画期的な英語教育を実施しています。学生諸君が、高度な専門知識に加えて幅広い教養と国際感覚を持ち、社会に貢献することができる市民・職業人に成長できるよう、教育上のさまざまな工夫を施しています。

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