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講義No.10896

点字ブロックがしゃべる!? AI機能でみんなにやさしい社会へ

誰もが点字ブロック利用者に

 視覚障がい者の歩行を助ける点字ブロックは、今や世界各地で利用されていますが、これは50年以上前に日本で生まれたものです。街を歩くと当たり前のように見掛けますが、現実には存在感が薄く、点字ブロックの上に自転車が置かれたり、人が並んだりしているのが現状です。しかし、点字ブロックを情報ツールとして多くの人が利用するようになれば、存在意義が再認識され、扱いは変わるかもしれません。現在、点字ブロックにAI(人工知能)機能をプラスした「コード化点字ブロック」の開発が進んでいます。点字ブロックにスマホをかざすだけで、道案内などの音声案内が聞けるという「しゃべる点字ブロック」です。

スマホに届く情報を音声で案内

 仕組みは簡単です。ブロックの丸い点ごとに数字を割り振ってコード化し、点字ブロックに黒い三角形や丸などの印を付けます。専用スマホアプリでそれらを読み取ると、コードがサーバーに送られ、サーバーからスマホに情報が入り、案内の声が出るという仕組みです。1ブロック当たり、組み合わせパターンは3000万以上になります。ですから方向を変えてスマホをかざすと、それぞれ見ている方向に合わせた「右」や「左」の案内に対応できるなど、さまざまな需要に即した情報が提供できます。観光情報や英語での音声案内も流せますし、災害時には避難所の情報なども提供します。すでに金沢市内では70カ所以上にコード化点字ブロックが置かれています。

観光客の情報ツールとしても期待

 このように、AIにはよりよい社会づくりへの貢献も期待されています。多言語に対応できるようになれば、外国人観光客にとって便利な情報ツールとなり、観光客誘致のきっかけとして役立つ期待も高まります。まだまだ開発は続きますが、大事なのはユーザー目線です。点字ブロック関連の情報サービスを一つのアプリに統一するなど、さらに踏み込んだ開発が求められています。

参考資料
1:コード化点字ブロックアプリとサンプル

この学問が向いているかも 情報工学

金沢工業大学
工学部 情報工学科 教授
松井 くにお 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 人間が当たり前のようにできることでも、コンピュータは簡単にはできません。40年以上人工知能(AI)を研究していますが、人間の素晴らしさを実感してばかりいます。例えば自動翻訳なら、開発に携わった約40年前、コンピュータには6千もの文法ルールを覚えさせました。でも人間はそれらを頭の中で処理しているのです。
 今は第3次人工知能ブームで機械学習が注目を集めています。AIは進化し続けます。新しい時代のAIの担い手をめざすなら、今のうちからプログラム言語の感覚を身につけておきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 私の名前「くにお」は平仮名です。兄弟全員、平仮名です。名付けた父はコンピュータの技術者で、当時のコンピュータはまだ漢字が使えなかったため、平仮名の名前を付けたのです。小学生の時、仕事場へ連れて行かれ、父が研究していた声の出る機械を目の当たりにしました。そこで「おもしろい」と思ったことがこの世界へ興味を持つきっかけです。平仮名の名前に影響を受け、日本語処理をめざして富士通の研究所に入社。その流れで自動翻訳の開発に携わるようになりました。それが私がAIに関わる原点でした。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

システムエンジニア/工業高校教諭/アプリケーションエンジニア

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松井 くにお 先生がいらっしゃる
金沢工業大学に関心を持ったら

 金沢工業大学では、講義等で「知識を取り込み」、それを仲間との実験・演習の中で「思考・推論」し、組み替え結びつけることで「新たな知識を創造」し、その成果を「発表・表現・伝達」する独自の学習プロセスを全科目で導入しています。さらに高度な研究環境の中で産学協同による教育研究を実践するとともに、夢考房など知識の応用力を高める多彩なフィールドを実現することで、獲得した知識を知恵(応用力)に転換できる「自ら考え行動する技術者」を育成しています。

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