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講義No.10894

インド経済:労働移動と教育

インドでは成長率が高くても雇用の拡大に遅れ

 インドは中国に並ぶ巨大な人口を持ち、世界的に見て成長率の高い国です。経済の規模でみると、日本は今、アメリカ、中国についで世界第3位ですが、2020年代の間にインドに追い越されるかもしれません。
 一方でインドは多くの課題を抱えている国でもあり、雇用の拡大が遅く、その中で不安定な雇用が増えているという雇用の問題もあります。

国内で労働移動が増加

 経済成長の過程で、州(インドは28の州に分かれています)を越えた移動も、州の中での移動も増えています。移動の理由は、より良い賃金やより良い生活環境(電力が通っているか、保健所や診療所はあるかなど)を求めてというよりも、雇用機会を求めてという動機です。
 労働移動が活発化する一方で、インドには基礎的な教育が普及していない、質が悪いという問題が残っています。労働移動は就学に対してどのような影響を与えるのでしょうか。

労働移動の教育への影響

 標本調査という、標本から全体について推計することのできる統計を使って、「子どもが年齢に見合った学校に通うことの起こりやすさ」を推計した結果、インドの場合は宗教やカーストによって違いがありますが、労働移動した世帯かどうかによっても違いのあることが確認できました。具体的には、労働移動した世帯では移動のない世帯に比べて、小学校への就学は起こりやすいけれど、中学校以降のほぼすべての段階の教育において就学が起こりにくい状況があると分かりました。
 より広く仕事を探し自由に移動できるということは、本来人々のチャンスを増やすものです。しかしインド国内の労働移動については、何らかの仕事には就けるものの労働条件の悪い不安定な仕事しか得られない人々が大部分を占めており、そうした状況が労働移動した世帯の子どもの就学にマイナスの影響を与えていると危惧されます。

参考資料
1:インドへのスタディーツアー

この学問が向いているかも 経済学、開発経済学

龍谷大学
経済学部 国際経済学科 准教授
島根 良枝 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 SDGsの考え方は重要ですが、問題はどう実行するかです。
 私は、インドや途上国支援について、真に現地にとって効果のある(意図しないマイナスを及ぼさない)支援を行うため、“現地の実情を多面的に理解しよう、現地で成果をあげている実例から学ぼう”というメッセージを伝えています。この点を実際に経験してもらおうと、学内でインドへのスタディーツアーを実施しました。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の時は、医師になって途上国に行くか、国際関係を勉強するか迷いました。大学で国際関係論を学びイギリスに留学した際、途上国出身の医師が大勢イギリスで働いているのを目の当たりにして国際関係の枠組みから途上国を考える重要性を改めて感じました。その後、経済調査の側面から日本の援助に関わる仕事をする中でインドの経済政策に関心が移り、大学院で経済学を勉強しました。振り返ってみると「きっかけ」としては、途上国への関心を核にしつつ模索した一連の経緯と、大学院での学びに恵まれたことが大きかったように思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

銀行総合職/警察官/ハウスメーカー営業職/農業協同組合総合職/商社営業職/流通総合職/半導体・電子・電子機器営業職など

大学アイコン
島根 良枝 先生がいらっしゃる
龍谷大学に関心を持ったら

 『進取と共生』〜世界に響きあう龍谷大学〜
 龍谷大学は、370年の伝統を超え、新たな一歩を踏み出しました。
 その歴史は、江戸時代初期の寛永16年(1639)、京都・西本願寺に、仏教の研究と人材養成のための「学寮」が設けられたことに始まります。
 そして、近世から近代、現代への日本の歴史の中で新しさを重ねて370余年。
 現在では京都・滋賀の3つのキャンパスに、9学部・31学科、専攻と短期大学部、大学院を擁する、全国屈指の総合大学として、発展を続けています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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