夢ナビWebセレクション

北海道医療大学の教員による講義

関心ワード
  • 医療、
  • 健康食品、
  • 治療、
  • 抗がん剤、
  • 臨床、
  • 薬・医薬品、
  • 薬剤師、
  • サプリメント、
  • 副作用、
  • 薬物動態

薬物動態を理解することで、患者と医療界に貢献する薬剤師

薬物動態学から、薬の飲み合わせなども検証

 病院に行くと、症状に合わせて薬が処方されます。その薬は、体の器官にどう分布し、どのように代謝、吸収され、排泄されるのでしょうか? 薬剤師は、体の中の薬の動きである「薬物動態」を知ることで、薬の作用、副作用を検証し、より効果的な治療に役立てます。
 症状などにより、複数の薬を飲むケースも多々あります。近年はサプリメントや健康食品を常用している人も増えています。その組み合わせにより、相乗効果が生まれたり、逆に邪魔しあって効果が半減したりするなど、影響はさまざまです。薬の組み合わせによる反応の検証も求められています。

臨床現場と連携して治療効果を高める

 患者の治療に役立つために、投薬治療をより効果的にし、副作用を抑える検証も不可欠です。そのためには、薬剤師は臨床現場との連携が大切です。実際に、医師と情報共有して、抗がん剤治療の効果を高めた事例もあります。その患者は、投薬で腸管にダメージを受けていましたが、さまざまな方向から検討を重ねた結果、腸管の免疫を高めるサプリメントを併用することで、ダメージを減らすことに成功しました。あらゆる医薬品の動態や作用を把握することで、治療に大きく貢献できるようになるのです。

安心安全な治療や残薬問題にも貢献

 また、薬剤師は余分な薬を減らす提案もできます。今、薬の飲み忘れ(残薬)問題が注目され、その損失は年間数百億円にのぼります。さらに、薬は5種類以下に抑えたほうが副作用が起きる危険性が低いという研究結果も出ています。処方されている薬を少しでも減らすことが、患者の負担を軽減し、医療界への貢献にもなります。薬といえば創薬に注目する人も多いでしょう。もちろん、新しい薬の開発も大切ですが、今ある薬をいかに効果的に有効に使うか、組み合わせによって相乗効果を高めるかといったことも、非常に重要です。それが、すべての人が安心して投薬による質の高い治療を受けられる環境づくりにつながるのです。

この学問が向いているかも 薬学、薬物動態学


薬学部 薬学科 教授
井関 健 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 大学は、さまざまな学問に触れ、新しい発見ができる場所です。今は、最初からゴールを決めている人が多いように思いますが、大学で学ぶ中で目標を見つけた人は、伸びる力が大きいように感じています。高校生の今、自分が得意なこと、好きなことはなんだろうと考えてみてください。目標はなくてもいいので、興味があることを学べる大学に飛び込んでみましょう。
 今は、10年後20年後がどうなっているかわからない時代です。広い視野で可能性を広げ、大学で将来の日本を見据えた道を選んでもいいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃から理科が大好きでしたが、高校で有機化学に触れて、さらに強く興味を持ち、「化学を学びたいなら薬学がいい」と言われるがまま、薬学部へ進学しました。実は薬剤師という仕事もよく知らず、生物も苦手でしたが、学部の生化学の講義で先生が生物学を化学式で示してくれたことから興味がわき、深く学ぶことができました。卒業後に、大学病院に薬剤師として勤務する機会に恵まれ、そこで「より良い治療を患者さんへ提供するための研究」があると言うことに気がついて、薬剤師としての研究をスタートさせました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院薬剤師/大学教員/製薬会社研究員官公庁医療安全/保険薬局薬剤師/食品会社研究開発

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

TOPへもどる

夢ナビロゴ

夢ナビ編集部copyright(c) 2008- Frompage Co.,Ltd. All Rights Reserved.