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講義No.10888

電気電子工学を学ぶとプラズマが作れる!?

手で触ることができるプラズマ

 心臓の拍動のように、電力をピクンピクンと瞬間的に使うような技術を「パルスパワー」と言います。パルスパワーを応用し、一瞬だけ放電を起こして作れるようになったのが「大気圧プラズマ」です。温度が低いのが特徴で、30年前ごろから研究が盛んになっています。
 プラズマとは気体の一部がイオンと電子に分かれて動き回っている状態です。従来の大気圧下で生成するプラズマは、溶接に使われるぐらいの超高温です。一方で、パルスパワーを用いて大気圧下で作ったプラズマは、手で触ってもやけどしない温度です。このため、これまでプラズマと縁がなかった皮膚や、すぐに溶けてしまうビニールのような素材、植物にも照射できるようになりました。この大気圧プラズマをカイワレや豆苗(とうみょう)の種子に当てることで、成長が促進される結果が得られています。これはプラズマによる電気的な刺激が影響しているとみられています。

大気圧プラズマを生成するパルスパワー技術

 パルスパワー技術によって一瞬だけ気体に電力が投入され、温度が低いプラズマが生成されます。これを可能にしているのが半導体デバイスとそれを複雑に制御する技術です。半導体は身近なところではスマートフォンやパソコンの中にたくさん使用されています。この半導体の性能が向上してスイッチとして使えるようになり、一瞬の電力供給が可能となり大気圧プラズマの生成や滅菌・殺菌、金属と樹脂の分離などに利用されています。

大学での学びが研究、そして将来へつながる

 このパルスパワーを発生させる電源を設計・製作するために必要になるのが、電気回路、電子回路、パワーエレクトロニクス、電気機器、電気機械設計などの知識です。これらは電気・電子系の大学では1~3年生の時に学ぶことができます。大学での学びをより発展させてパルスパワーやプラズマの研究へとつながり、ここで得られた経験を基に建設業、製造業、電力業、情報通信業といった分野で活躍することができます。

参考資料
1:大気圧プラズマの写真

この学問が向いているかも プラズマ工学、電気電子工学

山陽小野田市立山口東京理科大学
工学部 電気工学科 講師
大嶋 伸明 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「不思議だな」「わからないな」と思ったときは、まず自分の頭で考えてください。今まで物理の授業で習ったことや、似たような現象があったことなど、これまで蓄えてきた知識をつなぎ合わせてみてください。すぐに便利なインターネットで答えを探したくなりますが、まずは自分で答えを出す習慣を身につけてください。
 大気圧プラズマは大きな可能性を秘めた分野です。物質によって光の色が変わり、きれいで癒やされる面もあります。頑張ってみようかなと思える、泥臭い努力が好きなあなたを歓迎します。

先生の学問へのきっかけ

 高専を卒業し編入学した大学で巨大な装置や大型実験機器を見て、電気・電子工学に惹かれました。パルスパワーやプラズマの分野を選んだのは、「化石燃料に頼る発電には限界がある。これからは核融合の時代」と聞いてからです。人工的に雷や太陽を作って使えたら面白そうと思ったのです。故郷の群馬は雷が多く、自然と雷に惹かれていたのかもしれません。自分たちでパルスパワーを発生させる装置を作り、狙っている光が出せたときは楽しかったです。チャレンジを続け、農業やエネルギー問題に貢献していきたいと思っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

電気業送電部門 / 製造業電気機械設計 / 建設業施工管理 / 情報通信業企画

大学アイコン
大嶋 伸明 先生がいらっしゃる
山陽小野田市立山口東京理科大学に関心を持ったら

 山陽小野田市立山口東京理科大学は「確かな基礎教育」を掲げ、基礎学力を育成する体系的な教育を行っています。2016年4月、公立大学法人へと移行、2018年4月西日本初の公立の薬学部を設置し、工学部・薬学部の二学部体制となりました。東京理科大学の姉妹校として、基礎学力を重視した実力主義の教育を受け継ぎ、工学・薬学の専門的な学術を教育・研究するとともに、地域産業界・医療界で活躍する人材を育成します!

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