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講義No.10883

乳牛の健康と繁殖の課題を全国のデータ分析で解決へ

牧草が牛の健康とお乳の質に影響する

 北海道の酪農家は、平均で130頭の乳牛を飼育しており、「病気を予防して健康を維持する」「必要なときに妊娠・出産する」ための計画を農場ごとに立てています。「牛の健康維持」には、与える牧草の質が特に大きく影響します。食べる餌によって、お乳の脂肪分やたんぱく質も増減します。一般的に、北海道の酪農家は牧草を自農場で作っていますが、本州では海外から輸入することも多いです。

乳牛の健康と繁殖を獣医師がサポート

 乳牛は出産しないとお乳を出さないので、農場で安定的に牛乳を生産するためには効率的に妊娠・出産させることがとても重要です。乳牛のメスは、1回目のお産を2歳で迎え、400~430日間隔で、平均3.3回の出産をします。新しい牛を入れるのは農場にとって経済的負担が大きいので、できるだけ長く健康を維持して飼育することが大切になります。こうした健康管理と繁殖管理を、「管理獣医師」と呼ばれる獣医師が農場を回ってサポートしています。そして、普段は管理獣医師が問題の原因を見つけて対処します。

求められる全国全頭のデータベース

 しかし、問題の原因が明らかにならない場合や解決できないケースでは、動物の飼育環境や管理の方法に問題がないかを分析します。ここで威力を発揮するのが、牛のデータベースです。日本では、牛の健康状態や妊娠・出産状況、病気、餌、お乳などのデータは農場を支える団体ごとに保有していることが多く、全国規模のデータベースがまだありません。
 全国の農場のデータを一元管理することで、地域ごとの特性や課題などが明らかになり、管理獣医師や農場に有益な情報が提供できます。それにはデータ自体も、使いやすいものに整えることが重要です。この全国・全乳用牛のデータベースが稼働することで、日本の酪農はデータの裏付けをもって問題解決を図る、次のステージへと進化を遂げることができるのです。


この学問が向いているかも 獣医学、ハードヘルス学、臨床繁殖学

酪農学園大学
獣医学群 獣医学類 教授
中田 健 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたが動物について学びたいなら、大学に入学する前に、身の回りの動物の行動について普段から考えておくことが必要です。まずは「人間」という動物の行動の特徴、何を考えているのかを客観的に観察してみてください。
 例えば、友人や家族の何気ない行動にはどんな意味があるのかなどを考えて、その人々の特徴を自分で整理します。動物は人の言葉を話さないので、普段から人間を含めた動物の行動に疑問を持ち考えてみることが大学入学後にとても役立つと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学の獣医学部を卒業後、乳牛の繁殖成績を向上させる研究を行っていましたが、日本を含め世界的に乳牛の繁殖成績は低下し続けました。そのとき、乳牛が子どもを産んで生産能力を発揮するには、快適な飼育環境と動物自身の健康を保つ必要があると気づきました。またデンマークに留学した際、国内の乳牛全頭のデータがあり、大学でも利用できる環境が整っていることを知り、帰国後、日本でも各酪農家さんがもっているデータを集め牛の管理を支えるための情報発信をする研究を始めました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

農業共済組合産業動物臨床獣医師/酪農業協同組合産業動物臨床獣医師/大学教員/国家公務員(農水省、厚労省、環境省)獣医職/地方公務員獣医職/製薬会社研究員/開業獣医師(伴侶動物・産業動物)

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中田 健 先生がいらっしゃる
酪農学園大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、中田 健 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月3日(日)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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