夢ナビ 夢ナビ

TOPへ戻る

講義No.10869

国民の幸福度が高い、フィリピンのヒミツ

高いフィリピンの幸福度

 アメリカの調査会社Gallup Internationalが行っている調査などで、フィリピンが幸福度ランキングで上位になることが多くあります。近年は経済成長率が上昇していますが、フィリピンは現在も開発途上国であり、日本もODA(政府開発援助)でさまざまな協力をしています。経済的に豊かとはいえない状況下で、なぜフィリピンの人々の幸福度は高いのでしょうか?

植民地時代に培われた国民性

 フィリピンは、400年以上にわたって、他国の植民地となっていた経験があります。16世紀にスペイン領、1898年にアメリカ領となり、先進国によって国の基盤が作られてきましたが、それらは市民の実情に合わないものでした。その結果、人々は建前として国のルールは守りつつも、本音の部分では「自分たちで何とかしていこう」と思い行動するようになったのです。このような性質を現地では「ディスカルテ」といいます。「常識を少し超えながら自分たちで前に進んでいこう」という柔軟でポジティブな国民性は、フィリピンの歴史的背景のもとで形成されたのです。

カトリック教会のネットワーク

 多民族・多言語という状況下にもかかわらず、ディスカルテな人々は、積極的に人間関係を構築することに長けています。そのつなぎの役割を果たしたのが、アメリカ時代から習得するようになった英語、そしてスペイン領時代に普及したカトリック教会です。海外へ出、世界中のカトリック教会のネットワークを生かす人も多く、フィリピンはいち早くグローバル化しました。人々はネットワークを大切にしているのです。ポジティブな国民性に加え、このように人と結びつき、孤独を感じにくいことが、幸福感につながっていると考えられます。
 現在の日本では終身雇用制が崩壊しつつあり、海外に出る人も増加し、グローバル化が進んでいます。日本も組織社会のしがらみを破り、人のネットワークを発展させていくことで、幸福感がアップしていくかもしれません。


この学問が向いているかも 外国語学、社会学

大阪大学
外国語学部 外国語学科 フィリピン語専攻 教授
宮脇 聡史 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校生の頃には「どうせ自分はこの程度にしかなれない」などと思い詰めてしまうこともあると思います。でも、そんなふうに自分を決めつけないでください。大学はあなたが新たにいろいろとチャレンジできる場です。大学側もそのつもりでさまざまな用意をしています。大学ではさらに視野を広げて、その先のステップアップをめざしながら、「今何をすべきか」を考えて過ごしてほしいです。私は、人は一人ひとりに使命があると思っています。いろいろなことにチャレンジして、それを探ってみるとよいでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学進学後に、「フィリピンでは、さまざまな問題が起こっているけれど、国民は幸せらしい」ということを知ったのが、現在の研究のきっかけです。当時の日本は「豊かなのに、何だか行き詰っている」と感じていた私にとって、フィリピンの人々が持つ幸福感は興味深いことでした。その後、大学院での論文執筆のためにフィリピンで現地の人々と関わり、実情を知っていくことで、「フィリピンの人々を突き動かしているものは何なのか」ということを考えるようになりました。現在は、カトリック教会を軸に研究を進めています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

外務省専門職/テレビ局局員/航空会社 フライトアテンダント/食品会社職員/製薬会社職員

大学アイコン
宮脇 聡史 先生がいらっしゃる
大阪大学に関心を持ったら

 自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。

TOPへもどる