夢ナビ 夢ナビ

検索結果一覧へ戻る

講義No.10856

住民参加とデジタル技術で、安心安全で魅力的なまちづくりへ

まちづくりの主人公は住民

 従来はまちづくりといえば、市区町村の行政が進めていました。半ば一方的に住民たちに、「こうします」と決まったことを伝えることが多かったのですが、最近はそうしたケースに代わって、「みんなの意見でこのようになります」と、まちづくり計画のプロセスに、住民やその関係者が参加し始めています。話し合って、互いに合意しながら進めることで、初めて住民も行政も納得できるまちづくりが実現します。

まちづくりとデジタル技術

 例えば住宅地に公園を作るとき、公衆トイレを設置するとします。すると「自宅のそばに設置しないで」といった意見が出ます。すべての意見を聞いていると、公園のど真ん中にトイレを作ることになりかねません。これでは、スペースを有効に使うことができなくなります。住民と行政が議論を深めるには、まず地域の基礎的な情報や地域の良さ、問題点まで、多様な情報を共有することが大切です。そうすることで、その情報をもとに意見を述べ合うことができます。こうした情報のシェアとアウトプットの理解が、住民参加型によるまちづくりを可能にするのです。
 そしてここで活躍するのが、まちや建物の形や規模感をわかりやすく提示するVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、さらにMR(複合現実)といったデジタル技術です。計画案の規模感や壁面の色・素材感まで再現し、体験できます。また複数案をバーチャルで示して、あそこがいい、ここを改善しようなどと具体的な比較検討ができます。まちづくりとデジタル技術は、親和性が高いのです。

良いまちとは安全、安心、そして魅力的な景観

 良いまちとは、まず住民にとって安心、安全であることです。もし災害に見舞われても被害を最小限に抑えられ、治安が良く、人と車との距離が一定に保たれることで交通事故の起こりにくいまちです。そうした安全を目的に設計したうえで、これからは豊かな緑や美しい街並み景観に配慮した住民にとって魅力的なまちづくりを考えていく必要があるでしょう。


この学問が向いているかも 建築学、都市工学

熊本大学
工学部 土木建築学科 教授
本間 里見 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 日本では行政を中心にまちづくりが行われてきた経緯があります。しかしまちづくりは、さまざまな地理的条件や法律、そして住民の「自分たちでまちを変える」という強い思いが組み合わさって、初めて実現します。まちは住民の手で変えられます。それを考えるのが、まちづくりであり、都市計画の研究です。
 まちづくりを支援する新しい技術として、VRなどのデジタル技術やドローンを活用しています。今後、まちづくりの分野でますますその役割は大きくなるでしょう。あなたも興味があるなら、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 物理や数学が好きな高校生でした。ある日隣の席の子が絵を描いていて、美術大学志望でもないのにと、不思議に思い尋ねると、「志望する大学の建築学科は、デッサンの試験がある」と言うのです。もともと工作が好きだった私は、がぜん興味が湧き、私もその大学の建築学科へ進学しました。学ぶ中で、19世紀以前の建築様式からガラスと鉄とコンクリートの建築に移行した西洋近代建築に興味を持ち、ドイツに留学しました。そこで日本の考え方とは異なった、まちの風景を優先する設計の考え方を学び、都市デザインの研究の道に進みました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ディベロッパー企画設計/建設コンサルタント企画設計/ゼネコン設計・施工/建築設計事務所設計/住宅メーカー設計・研究/不動産企画/測量会社研究/官公庁都市計画

大学アイコン
本間 里見 先生がいらっしゃる
熊本大学に関心を持ったら

 熊本大学は、「総合大学として、知の創造、継承、発展に努め、知的、道徳的、及び応用的能力を備えた人材を育成することにより、地域と国際社会に貢献する」という理念に基づき、地域のリーダーとしての役目を果たしています。かつ、世界に向け様々な情報を発信しながら、世界の学術研究拠点、グローバルなアカデミックハブとして、その存在感を高める努力をし、教育においては、累計30件にも及ぶ「特色ある教育プログラム」が優れた取り組みとして文部科学省から認定され、その教育力の高さと質の高い教育内容は定評のあるところです。

TOPへもどる