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講義No.10853

「そもそも」から物事を考える、メタ倫理学の面白さ

第3の倫理学とは

 大学で学ぶ倫理学は、人はどのように生きていくべきなのかを深く考える学問です。倫理学は大きく3つに分かれています。1つめは規範倫理学で、「人間がやるべきこと」「人に認められる人生とは何か」など、世の中の規範について考える分野です。2つめは応用倫理学で、社会で起こっている具体的な問題にどのように対応するのかを研究します。第3の倫理学といわれているのが、メタ倫理学です。倫理学の中で基本的に前提となっていることを、「本当にそうなのか」と考えてみる学問です。「『よい』『悪い』とはどういう意味なのか」「本当に倫理的に行動しないといけないのか」など、そもそもの問題を考える研究です。メタ倫理学が本格的に研究されるようになったのは百年ほど前からで、倫理学の中では新しい分野です。

社会が大きく変わるときに生まれたメタ倫理学

 メタ倫理学の研究が進んだ背景の一つには、近代の科学の発達の影響があります。それまで、倫理は宗教と結びつけられることが多かったのですが、科学の時代がやってきて、新しい倫理のあり方が模索されるようになりました。また、20世紀前半には第一次、第二次世界大戦が起こり、人々が倫理と向き合う必要があると考えられるようになったのです。

自分で考え、自分で納得する

 倫理や道徳に対して、「~しなくてはいけない」「~してはいけない」と、押し付けられるものというイメージを持つ人もいるでしょう。そこをメタ倫理学の視点で、例えば「どうして人に親切にしなくてはいけないのか」などと、「そもそも」の点から考えてみることに意味があります。社会ではそうだから、先生や保護者がそう言うからということではなく、自分で考えて、「~だから、こうなんだ」と答えを導き出すのです。また、物事を「そもそも」のところまで戻って考えてみると、別な考え方やアプローチの方法を思いつくことがあります。メタ倫理学を通して世の中を考えてみることで、新たな発見があるのです。


この学問が向いているかも 倫理学

専修大学
文学部 哲学科 准教授
佐藤 岳詩 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 倫理学というと、すごく難しい言葉を使ったり、本を読んだりする学問だというイメージを持っているかもしれません。意外に思えるかもしれませんが、倫理学を学ぶ芽になるものは、私たちの日常の小さな事柄の中にあります。毎日の生活の中で感じること、花や鳥などの自然に目を向けること、ゲームを楽しむことなど、さまざまな経験の中で気づくこともあるでしょう。その気づきの積み重ねが物事を深く考える力となり、倫理学の学びへとつながります。その力を鍛えるためにも、今は、今しかないあなたの高校生活を大切にしてください。

先生の学問へのきっかけ

 小説を読むのが好きだったこともあり、大学の文学部に進学しました。その時点では倫理学を学ぼうという気持ちはなかったのですが、大学で倫理学の授業を受けてみて、面白いと感じました。善と悪がクリアに、学問的に論じられる、そういう方法があるのだと気づいたのです。倫理学で学んだ視点で小説を読むと、ストーリーの楽しさを追うだけではなく、登場人物の心の動き、置かれた状況などについて、いろいろな角度から考えることができるようになりました。広い視野で物事を考えられる点も倫理学の面白さだと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

公務員/製造業/銀行員/IT関連企業など

大学アイコン
佐藤 岳詩 先生がいらっしゃる
専修大学に関心を持ったら

 専修大学は、1880年(明治13年)に経済科と法律科からなる専修学校として創立されました。「経済科」は日本初の、また「法律科」は私学で初の高等教育機関でした。2021年に創立142年を迎える、日本でも屈指の伝統を持つ大学です。社会科学、人文科学、総合科学、の3系統、8学部20学科からなる社会人文系総合大学として、「自ら問題を見つけ主体的に解決する知力」と「人間力」、「倫理観」を持った人材を育成しています。まずはオープンキャンパスの大学紹介や模擬授業に参加して、大学の雰囲気を体感してみてください。

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