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講義No.10848

宇宙空間で高エネルギー電磁波を観測し、宇宙の姿に迫る

宇宙では何が起こっているのか

 宇宙では想像をはるかに超えたさまざまな現象が起きています。その現象を観測することで、宇宙の姿に迫ろうとするのが、宇宙物理学です。宇宙では、地球上では実現できないことが数多く起こります。それを観測する1つの手段がX線やガンマ線などの高エネルギー電磁波です。これらは大気を透過しないので、観測するには人工衛星に特殊な観測装置を積んで宇宙空間に打ち上げる必要があります。観測に成功すれば、星の誕生や最期に関わる宇宙の活動をとらえることができるのです。

X線を観測する日本の人工衛星

 宇宙のX線を観測する人工衛星(X線天文衛星)に、日本は1970年代以降、継続して取り組んでおり、複数の衛星を打ち上げて世界をリードしてきました。その1つが2016年に打ち上げられた「ひとみ」です。この後継機として「XRISM」(クリズム)というX線天文衛星が、日本も含めた国際的なミッションとして進行しています。X線天文衛星を打ち上げるためには、衛星そのものとともに、搭載する観測装置の開発も必要です。さらに、得られたデータをほかの研究者たちが活用できる状態にすることも不可欠です。これは、観測装置を開発した人にしかできない、とても重要な仕事なのです。

「すざく」が発見した宇宙線の発生源

 日本のチームが発見した宇宙の新事実に、「白色矮星(はくしょくわいせい)が生み出す宇宙線」があります。宇宙空間を飛び交う宇宙線はX線やガンマ線を放射しつつ地球にも注がれます。この宇宙線は、例えば磁場の強い中性子星のような激しい天体が発生源とされてきましたが、そのほかの発生場所や発生機構については100年来の謎だったのです。「ひとみ」の前身であるX線天文衛星「すざく」は、静かな印象の強い白色矮星から、中性子星とよく似た信号をキャッチすることに成功しました。白色矮星が宇宙線の発生源の1つである可能性が明らかになったのです。まだまだ、厚いベールに包まれた宇宙の謎ですが、宇宙物理学は一歩一歩、その姿に迫っています。


この学問が向いているかも 宇宙物理学、宇宙工学

埼玉大学
理学部 物理学科 准教授
寺田 幸功 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 宇宙物理学は、根本的なことがほとんど解明されていないジャンルです。例えば、宇宙はどのように始まったのか、生物はどうして誕生したのかなど、観測や研究をすればするほど、謎は深まるのです。
 こうした謎に迫るため、私たちの研究室では、天体を観測する人工衛星の設計や観測装置の開発、それらによる天体観測と解析を行っています。2022年度に打ち上げの人工衛星「XRISM」(クリズム)のミッションには、埼玉大学の学生も深く関わっています。もし興味があるなら、あなたのチャレンジを待っています。

先生の学問へのきっかけ

 宇宙への最初のきっかけは、小学生のときに買ってもらった天体望遠鏡でした。それを使うと、肉眼では何も見えないところに、星があるのです。「何もないのに存在している」ことが純粋におもしろくて、宇宙への憧れが募っていきました。高校生のときは医者になりたいと思った時期もありましたが、とにかく物理がおもしろくて、大好きでした。そんな私に物理の先生が、人工衛星を上げている大学があることを教えてくれたのです。「ぜひ、その研究室に入りたい!」と強く思ったことが、現在の研究の出発点になっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

宇宙航空研究開発研究員/システムエンジニア/大学教員

大学アイコン
寺田 幸功 先生がいらっしゃる
埼玉大学に関心を持ったら

 埼玉大学は、総合大学として有為な人材を育成する、首都圏大学として社会とリンクし還元する、世界に開かれた大学として国際交流を推進する、の3つが特色です。TOEIC600点を目標に画期的な英語教育を実施しています。学生諸君が、高度な専門知識に加えて幅広い教養と国際感覚を持ち、社会に貢献することができる市民・職業人に成長できるよう、教育上のさまざまな工夫を施しています。

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