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講義No.10846

プロジェクトの投資意思決定

お金の時間価値

 いま1万円をもらうか、3年後に1万円をもらうかの二択なら、どちらがより嬉しいですか? 多くの方は直感的に前者を選ぶでしょう。それは合理的な計算によっても正しい判断です。ただし、この講義ではより正確に比較するため、3年後の価値を現在時点に調整して考えます。これを言い換えると、将来価値を現在価値に修正して検討するといえます。通常、将来価値が現在価値に修正されるときには値が小さくなります。したがって、3年後の1万円はいまの1万円よりも価値が小さくなってしまいます。これをお金の時間価値と言います。

いまよりプラスになってさえいればよい?

 なにかプロジェクトに投資するからには、犠牲にしたお金以上のお金を回収しなくてはなりません。ただし、それはお金の時間価値を考慮しているのでしょうか? マイナスの価値をもたらす投資をしないように、将来受け取るお金を現在価値に割り引いて、それでも投資額を上回っているのかどうか、気をつける必要があります。

多額の投資は避けるべき?

 「直感的に」リスクの高いプロジェクトに投資できますか?プロジェクトは、例えば高校生のあなたなら、留学や大学進学、部活で全国大会出場等が投資すべき・挑戦すべきプロジェクトにあたるでしょうか。そして、ここでいうリスクとは、「期待値の不確実性」という意味です。高い期待値が見込まれる場合(期待収益率)、リスクも相応に高くなることが知られています(ハイリスク・ハイリターン)。
 プロジェクトを検討するとき、お金をあまり失わないように、無難な選択をしていませんか? リスクと時間価値を考慮して合理的な判断を下せるよう考えてみましょう。特に、投資金額の大きさに怯まないこと。投資金額が大きくて、お金が足りないから諦めるのではなく、足りないお金をどうすれば調達できるのか。資金調達にコストがかかったとしてもなお、投資するよりも大きな価値が得られると期待できるなら、投資するべきです。


この学問が向いているかも 商学、会計学、経営学

横浜市立大学
国際商学部 国際商学科 准教授
河瀬 宏則 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 どのようなプロジェクトに投資すべきか、という意思決定をするとき、直観的な決定が合理的であるとは限りません。ハイリスクハイリターンな提案は、しばしば多額となり、投資時に金額面で諦められがちです。高校生のあなたなら、留学がそうでしょうか。ここで「留学したいけど今お金がない」という理由で諦めるのではなく、挑戦する先に何が得られるのか、挑む価値があるのかを考えて行動すべきです。リスクとリターンをきちんと読み取って、自分は今何をすべきかを考えて行動しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学時代、会社の実態を表示する財務諸表に興味を持ちました。会計学やファイナンスは数字を分析することで、経営者の意思や行動が分かる点が面白いと感じたのです。大学卒業後は1年半ほど銀行員として働きましたが、研究の楽しさにもう一度触れたいと考え、銀行を辞めて大学院に進みました。そしてそのまま研究者の道を歩んでいます。

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河瀬 宏則 先生がいらっしゃる
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 横浜市立大学は、「実践的な教養教育」を導入しています。高度な専門知識を教養教育を通じて身につけ、バランスのとれた人材育成を図る教育システムです。日本を代表する国際港湾都市に位置する大学として、世界に羽ばたく人材の輩出を目的に、国際感覚を養うさまざまな取り組みも充実しています。個々の可能性を最大限引き出すための厳しい教育プログラムを愛情を持って進めていきます。

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