夢ナビ 夢ナビ

TOPへ戻る

講義No.10836

足指じゃんけんの「グー・パー」で転倒予防

踏ん張りがきかず転ぶ

 高齢者の不慮の事故死について原因を調べると、トップは転倒・転落です。ですから転倒を防ぐことは重要なテーマです。睡眠薬などふらつきにつながる薬を内服していたり、何かにつまずいたり、履物が脱げたり引っかかったりと、高齢者が転倒する原因はいろいろあります。これらの要因を取り除いたとしても、体のバランスを崩したときには、踏ん張りがきかずに転んでしまうのです。踏ん張りがきかない理由の1つは、筋力の低下です。体幹も衰えますが、脚の筋肉が加齢や運動不足によって低下してしまうことが主な要因です。

生活の場では転倒が多い

 そこで、足の指に着目し、足の指の握る力や挟む力などの「足趾(そくし)力」を計測し、運動をすることで足趾力がアップするかどうかを見極める実験が行われました。10秒間で足の指を握ったり開いたりする「グー・パー」の動作が何回できるかを数え、次にこの運動を指導します。椅子に座って片足ずつ、かかとを床につけた状態で「グー・パー」を行ってもらうのです。この運動を継続することで、足趾力が向上することがわかっています。
 入院生活や地域生活での転倒は珍しいことではありません。転倒予防の一環として足指を「グー・パー」と動かす運動が推奨されています。また、足の指でタオルや新聞紙、ビー玉をつかむ動作を繰り返すことも効果があります。高齢者は、足の指を鍛える動作を日常生活に取り入れる必要があります。

高齢者の転倒は負の連鎖にもつながる

 高齢になって転倒し、骨折してしまうと、家から出られなくなって社会との交流が減るなど、負の連鎖が続くケースがあります。動かないことでさらに要介護度も高くなってしまうことでしょう。体の柔軟性もなくなり、こわばりが出てきます。足の筋力低下は、加齢によって避けられない部分もありますが、低下しないよう維持していくことが大事です。そうした観点では、本来、脚の筋力の低下防止のための運動は若い世代から取り組んだほうがいいといえます。


この学問が向いているかも 看護学

富山県立大学
看護学部 看護学科 講師
鷲塚 寛子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 医療・介護の分野に進む人には、コミュニケーション力が重要だと感じています。実習先で「高齢者とどんな話をすればいいかわからない」と困る学生が少なくありません。大学で専門的な知識を学ぶ前に、常にいろいろなことに興味を持ち、さまざまな体験を普段から積み重ねてほしいです。それはいつの日か「話のネタ」となり、材料が多ければ、どんな人とでも話ができるでしょう。どんな分野に進んでも、人と話をしないで済む仕事はありません。会話力の向上につながる時間を今のうちに過ごしてほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 臨床現場と大学・大学院を行ったり来たりし、民間企業でも勤務してきました。大学院で、足指に関する研究に取り組んでいる整形外科医の先生との出会いをきっかけに、研究をするようになりました。とはいえ、もともと足のケアに興味はありました。看護職は手指のネイルをすることはできないので、足の指をおしゃれに飾っていました。足の指を手入れするうちに、ここを大切にすることは全身の健康のためにもいいと思うようになったのです。足の指の機能を低下させないというテーマの重要性を、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

看護師

大学アイコン
鷲塚 寛子 先生がいらっしゃる
富山県立大学に関心を持ったら

 本学は、1990年の建学以来、創造力と実践力を兼ね備えた人材育成や高度な研究開発、産業界との連携による地域貢献を果たしながら、最適な教育・研究環境を整えてきました。
 昨年4月には看護学部を開設し、工学部との2学部体制へと進化を遂げるとともに、本年4月には、学科再編により「電気電子工学科」と「情報システム工学科」を新設し、あわせて新たな校舎の整備も進めています。
 工学と看護学を基盤に、柔軟で豊かな人間性を備えた人材の育成に向け「ドンドン マスマス」成長する富山県立大学で、一緒に成長しよう!

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

TOPへもどる