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講義No.10834

高性能ドローン開発のカギはプロペラまわりの流れ!

さまざまな工業製品に生かされている流体工学

 「流体工学」とは、気体や液体の動きを研究し、ものづくりに生かす学問です。流体工学は飛行機や自動車をはじめ、身の回りにあるさまざまな工業製品にも生かされています。現在、流体工学を使って盛んに研究されているものの一つが、マルチコプター、いわゆる「ドローン」のプロペラです。現在使われているドローンはせまい場所や障害物がある場所での操作が難しく、飛行可能な時間もそれほど長くありません。そこで空気の流れを計算し、使用するモーターに最適化したプロペラを開発することで、より精密な動きができ、かつ長時間飛行できるドローンの実用化をめざした研究が進められています。

開発は「数値解析」と「実験」の繰り返し

 プロペラを開発するときは、まず基本翼型を決め、回転数、プロペラ直径、モーター出力などの条件を設定し、設計理論に基づいた渦の動きをコンピューターでシミュレーションし、抵抗が小さくて効率の良いプロペラ形状を計算します。続いて実際にプロペラを作ってドローンを飛ばす実験を行います。プロペラは精密に設計されているので、わずかな狂いも生じないよう慎重な製作が求められます。また実験の際は、プロペラに「感圧塗料」という特殊な塗料を塗り、どの部分に空気圧がかかっているのか視覚的にわかるようにします。実験でうまくいかない場合は、前提条件などに間違いがないかを見直します。こうした作業を何度も繰り返しながら、プロペラを完成させていくのです。

他分野や企業との協力も重要

 時間のかかる作業ですが、失敗の原因を考え、試行錯誤しながら完成をめざすのが研究の醍醐味(だいごみ)でもあります。また、仮に想定通りのプロペラができたとしても、機体の制御やモーターとの相性が悪ければドローンはうまく飛びません。これらの課題を解決するためには、他分野や企業とも協力しながら開発を進める必要があります。プロペラの開発に限らず流体工学の分野では、他分野や企業と合同で研究を進めるケースが数多くあります。


この学問が向いているかも 機械工学、流体工学

熊本大学
工学部 機械数理工学科 准教授
宗像 瑞恵 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたは将来やりたいことが見つからなくて悩んでいませんか? そんなときは焦らず、まずは身の回りの関心事について考えたり、調べたりすることから始めましょう。例えば「このゲームどうやって作っているのだろう?」でもいいのです。
 一つひとつ自分の興味に向き合っていけば、いつか進む道が見つかるはずです。私たちの研究室では、このような「自分で考えられる人」を歓迎します。失敗しても「なぜ失敗したか」を考えれば、少しずつ成長できますし、何より楽しく学べると思います。そのためには日々小さなチャレンジが必要です!

先生の学問へのきっかけ

 私は現在、流体工学を研究していますが、早い段階からこの道に進むと決めていたわけではありません。高校生のころは理系クラスにいたので、漠然と興味があった理学部に進学しました。その後、勧められて工学部の助手になりましたが、この時点でも明確な目標はありませんでした。ただ実験を行うことや理論について考えるのは大好きでした。予想通りになってもならなくても、「なぜこの結果になるのだろう」と考えるのが楽しかったのです。こうして自分の関心を追究しているうちに、自然と流体工学の研究の道に進むことになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車・鉄道・航空関連会社/電子・電気機器メーカー/電気・ガス・水道関連会社などの製品開発・研究開発・設計・製造技術・SEなど

大学アイコン
宗像 瑞恵 先生がいらっしゃる
熊本大学に関心を持ったら

 熊本大学は、「総合大学として、知の創造、継承、発展に努め、知的、道徳的、及び応用的能力を備えた人材を育成することにより、地域と国際社会に貢献する」という理念に基づき、地域のリーダーとしての役目を果たしています。かつ、世界に向け様々な情報を発信しながら、世界の学術研究拠点、グローバルなアカデミックハブとして、その存在感を高める努力をし、教育においては、累計30件にも及ぶ「特色ある教育プログラム」が優れた取り組みとして文部科学省から認定され、その教育力の高さと質の高い教育内容は定評のあるところです。

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