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講義No.10820

環境破壊を起こさないエネルギー政策を探究する

地球環境は待ったなし!

 地球環境は急速に悪化しており、まさに待ったなしです。1988年に発足した「気候変動に関する政府間パネル(ICPP)」は、これ以上、地球温暖化が進めば、人類の生存基盤そのものが危うくなると警鐘を鳴らしています。
 なかでも、エネルギー政策は重要です。なぜなら、地球温暖化の主要な原因である温室効果ガスは、その多くがエネルギーを得るために化石燃料を燃焼することで排出されているからです。日本でも、電気を作り出すエネルギーの70%以上を、温室効果ガスを排出する石油や石炭などの化石燃料に依存しています。

原子力発電の問題点

 温室効果ガスを排出しないエネルギーとして、原子力発電があります。しかし、原子力発電は膨大なコストがかかり、経済的に非常に不合理であるという報告があります。また、原子力発電によって発生する「使用済み核燃料」は、完全に無害化するには数百年から数万年もかかります。さらに、2011年の東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故に見られるように、ひとたびコントロール不能に陥れば、大量の放射性物質が放出され、取り返しのつかない環境破壊につながりかねません。

再生可能エネルギーの可能性

 そこで注目されているのが、太陽光や風力などを利用する再生可能エネルギーです。この分野は欧州を中心に取り組みが進み、すでに産業として自立して発展している先進的な例が数多く報告されています。ところが、日本はまだ入り口に立ったばかりです。日本で再生可能エネルギーを普及させるためには何が必要なのか、どうしたら日本においても産業として自立できるのかを明らかにすることが、とても重要です。
 そのためには、欧州の成功事例の研究、日本の地理や地形と再生可能エネルギーの関係性、現在のエネルギー政策に対する総合的な検討などが不可欠です。こうした課題に取り組み、環境破壊を起こさないエネルギー政策を探究し提案することが、環境経済学の重要なテーマのひとつになっています。


この学問が向いているかも 環境経済学

龍谷大学
政策学部 政策学科 教授
大島 堅一 先生

メッセージ

 日本の中で見えるものだけを見るのではなく、広く世界に目を向けて、今いるところからは見えないものを見ようとすることがとても大切です。特に環境問題や環境経済学では、現場に足を運ぶことは基本中の基本です。
 美しい自然や、逆に自然破壊の現場を目の当たりにすると、おのずと胸に迫ってくるものがあります。それをしっかりと受け止め、感じることができる人になってほしいです。そのためにも、旅に出て、さまざまなものに出会い、「感じる心」を育ててください。若いときこそ、そうした経験をすることが大切だと思います。

先生の学問へのきっかけ

 私の環境への関心は、「現場を訪れたこと」がきっかけです。なかでも大学時代に、大規模な再開発が始まっていた現在の臨海副都心を目にしたときの衝撃は忘れられません。これまで見たこともない異様な光景が広がっていたからです。いったい何が起こっているのだろう、ここはこれからどうなるのだろう、これを知らずにはいられない、と強く思いました。その後も、さまざまな環境破壊の現場を訪れましたが、行かなければわからないことがたくさんあるのです。今でも現場から得るものが、研究のベースになっています。

大学アイコン
大島 堅一 先生がいらっしゃる
龍谷大学に関心を持ったら

 『進取と共生』〜世界に響きあう龍谷大学〜
 龍谷大学は、370年の伝統を超え、新たな一歩を踏み出しました。
 その歴史は、江戸時代初期の寛永16年(1639)、京都・西本願寺に、仏教の研究と人材養成のための「学寮」が設けられたことに始まります。
 そして、近世から近代、現代への日本の歴史の中で新しさを重ねて370余年。
 現在では京都・滋賀の3つのキャンパスに、9学部・31学科、専攻と短期大学部、大学院を擁する、全国屈指の総合大学として、発展を続けています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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