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講義No.10773

人と人の絆を数値化して、社会の「ナゾ解き」

人の絆が与える影響

 大きな震災や台風による豪雨被害など、災害をきっかけに人と人との「絆」が再注目されています。災害が起きると消防や自衛隊だけでなく、地域の人々が助け合い、救助活動をしている姿がテレビでも頻繁に報道されました。また「地域で行う子育て」や「地域での防犯や見守り」などさまざまなケースで、地域の絆、人の絆が重視されています。
 絆、すなわち社会や地域における人々の信頼関係や結びつきを表す概念を、政治学などでは「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」と呼びます。こうしたソーシャル・キャピタルなどが社会に及ぼす影響を統計データで数値化・可視化し、原因や結果、法則などを見つけ、いわば社会の出来事のナゾ解きをしていくのが「計量政治学」です。

ソーシャル・キャピタルの格差で何が起きる?

 ソーシャル・キャピタルには大きく分けると「結束型」と「橋渡し型」があります。結束型とは、組織の内部における同質的な結びつきで、例えば家族やグループ内の人と人との関係のことです。橋渡し型は、異なるグループや組織間の人や組織を結びつける人と人とのネットワークのことです。
 ソーシャル・キャピタルを基にした地方自治体政策と地域コミュニティの研究では、人と人との絆が強い地域と弱い地域で何が違うのか、それにより何が起こるのかを分析しています。例えば出生率を見た場合、人の絆が強く、地域全体で子育てをする自治体では出生率が高く、そうでない自治体では出生率が低い傾向となっており、子育て支援制度の充実度や待機児童数にも差が出てくるといったことが、統計データから見えてきます。

SNSでつながる人の絆にも注目

 近年はソーシャル・キャピタルの低下がいろいろな問題の原因のひとつになっていると考えられ、影響の範囲は広がっています。また、インターネットやソーシャルネットワークを通じた人の絆も生まれています。住んでいる地域も国も越えたソーシャル・キャピタルが社会に多大な影響を与えており、新たな研究分野として注目されているのです。


この学問が向いているかも 計量政治学

常磐大学
総合政策学部 総合政策学科 教授
砂金 祐年 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校までの勉強は、どちらかというと答えの出ているものを暗記することが多いと思います。それに対して大学は、自分で考える方法を身につける場所です。さまざまな物事について「これはなぜこうなのだろう?」という疑問を持ち、答えに至るまでの考える文法を身につけると、どんな分野でも学問のおもしろさに気づくと思います。
 勉強が嫌いでもいいですから、興味が持てる分野を見つけて、それについて考えること、ナゾ解きをしていくことが大切です。考える文法は人それぞれです。ぜひ大学であなたなりの考え方を見つけてください。

先生の学問へのきっかけ

 昔から「ナゾ解き」が好きでしたが、数学が苦手だったこともあり文系学部を志望し、法律を学ぶ学部に入りました。しかし起きた出来事を法律で解釈していくよりも、原因と結果と法則性を探っていくほうが好きだと気づきました。特に地方自治体に出かけて資料を収集して、「同じ政策でもうまくいくところとそうでないところがあるのはなぜだろう」と疑問に思ったことを統計学という文法で紐解き、分析するのが一番面白く感じました。そして行き着いたのが、現在取り組んでいる、自治体政策と地域コミュニティの研究だったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

地方自治体行政職

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砂金 祐年 先生がいらっしゃる
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 常磐大学は、茨城県水戸市に位置し、3学部9学科を擁した地方総合大学です。学園創立100余年の歴史と伝統を礎に、「実学を重んじ真摯な態度を身につけた人間を育てる」という建学の精神のもと、実学重視のカリキュラムを展開。地域に密着したリアルな学びで社会に貢献できる実践力を養います。
 人間科学部/心理学科・教育学科・現代社会学科・コミュニケーション学科・健康栄養学科
 総合政策学部/経営学科・法律行政学科・総合政策学科
 看護学部/看護学科

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