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講義No.10737

国から国への経済制裁、知っておくべきルールと視点とは?

経済制裁とは何か?

 国際関係のニュースで「経済制裁」という言葉をよく耳にします。これは、ある国が政治的、人道的に問題視されるような行動を起こした際、ほかの国々が経済面でさまざまな圧力をかけ、その国の問題行動を正そうとする活動を指しています。例えば、独裁体制の下で核実験や長距離弾道ミサイルの開発を続けている北朝鮮や、クーデターで実権を握った軍部が市民を弾圧しているミャンマーなどに対して、ほかの国々から経済制裁が課せられました。

経済制裁にもルールがある

 具体的には、その国との貿易に制限をかけ、特定の物品や資源、エネルギー、食糧などの供給を止める方法のほか、その国の指導者クラスの人々が海外に保有している財産の凍結や、金融機関を通じた国外への送金などを停止する金融制裁などもしばしば用いられています。
 経済制裁のあり方を考える上で重要なのは、その措置が国際法上のルールから逸脱していないかという点と、その措置によってその国の問題行動を是正するような成果が十分に得られるのかという点です。さもないと、経済的に強い国々が束になってその国をいじめるような構図になり、かえってその国の姿勢を硬化させてしまうかもしれません。また、経済制裁の方法や強度によっては、その国の一般市民の生活に著しく負担がかかり、人道面での問題が生じる恐れもあります。経済制裁を課す場合には、その国の問題行動を是正するための交渉を前提として、引き換えに制裁の緩和や解除を提案していくことが欠かせません。ただ圧力をかけるだけではなく、相手の国の「メンツを立てる」配慮も必要なのです。

より広い視野で国際関係を考える

 国際社会における経済制裁は、それぞれの国の利害関係や思惑の違いによって、実際には思うような成果を挙げられない場合も少なくありません。特定の国の視点だけでなく、全世界的な視野で国と国との関係を見極めていくことが、こうした課題に取り組む上では重要なのです。


この学問が向いているかも 法学、国際関係学

龍谷大学
法学部 法律学科 教授
山田 卓平 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校までの勉強の多くは、すでに確立されている事柄についての知識を正確に学んで身につけていくことが求められます。でも、大学からは、まだ研究の途上で確立されていない分野についても学びます。教えている教員自身が、実は納得していないという事柄も少なくありません。
 ですから大学では、何か疑問に思うことが出てきたら、先生やほかの学生たちと、どんどん議論をしてみてください。疑問があったときにすぐ、周囲の人たちとそういう議論を深められるのは、大学だからこそできるぜいたくです。

先生の学問へのきっかけ

 私が学生だった頃、世の中では湾岸戦争がよく話題に上っていて、海外旅行や国際貢献活動など、意識が外向きの学生が周囲に多かった気がします。私自身も、法学部で学んでいましたが、地球全体を対象にするようなスケールの大きな学問を学んでみたいと考えていました。国際法の研究を志したのは、その他の法学の分野と比べて、より手付かずで、ルールそのものを作っていくような研究ができるのが魅力だったからです。ただ、スケールが大きいからこそ、緻密な研究と論証が必要で、その点は常に忘れないように心がけています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

弁護士/教諭(中学校)/広告代理店/保険会社/銀行/警察官/消防士/自衛官/不動産会社/飲食業/大学職員/キャビン・アテンダント/メーカー/公務員

大学アイコン
山田 卓平 先生がいらっしゃる
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 『進取と共生』〜世界に響きあう龍谷大学〜
 龍谷大学は、370年の伝統を超え、新たな一歩を踏み出しました。
 その歴史は、江戸時代初期の寛永16年(1639)、京都・西本願寺に、仏教の研究と人材養成のための「学寮」が設けられたことに始まります。
 そして、近世から近代、現代への日本の歴史の中で新しさを重ねて370余年。
 現在では京都・滋賀の3つのキャンパスに、9学部・31学科、専攻と短期大学部、大学院を擁する、全国屈指の総合大学として、発展を続けています。

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