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講義No.10727

「感じ方」が違う発達障がい児を支援するリハビリテーション

発達障がいの子どもにみられる「感じ方」の違い

 「自閉スペクトラム症(ASD)」といった小児期の疾患があります。ASDは対人関係の苦手さ、特定のことに対する強いこだわりなどが特徴ですが、音、光、体の動き、触覚など、感覚の感じ方が人とは異なる子も多くいます(例えば音に敏感で耳をふさいでしまう、明るい場所を過度にまぶしがる、人に触られるのを極端に嫌がる、シャワーを痛く感じる、土や粘土の感触がとても苦手、身体の動きが感じ取り難く運動の不器用さを示すなど)。その様な「感じ方」の違いは、神経や脳における感覚処理の問題が原因だと考えられています。

生活のしづらさを改善するための支援

 「感じ方」の違いがあると、日常生活で行動がスムーズにできない、みんなと一緒に遊べない、学習が困難になるなど、家庭や学校での生活に支障をきたすことが少なくありません。そこで作業療法の視点から子どもの「感じ方」を理解し、日常のさまざまな場面で子どもや家族を支援するための取り組みが行われています。作業療法士はまずその子の苦手なこと・得意なことは何か、何に困っていて何が必要かを知るために、本人や家族、先生からも丁寧に聞き取りを行い、子どもの行動観察や検査など実態を客観的に評価する「アセスメント」を実施します。

家族へ、教育現場へと広がる作業療法

 次に苦手や困っていることにどうしたら対処できるかを考え、家庭や学校や地域社会で適応し、より良く生活できる方法を探ります。例えば泥遊びの感覚が嫌いな子には、その子が参加しやすい条件を分析し、使用する素材や環境を段階的に変えたり、スコップなどの道具を使ってみたりと多様な支援を試みます。また、ご家族に対しては食事や着替え、入浴などの子育てがスムーズに行えるような提案や、家族自身の心のケアにも関わります。さらにまだ少数ですが、保育園や幼稚園、学校現場で作業療法士が保育士や教師と協力し、支援を行うケースもあります。作業療法は医療分野だけでなく、教育や福祉の現場でも活躍の場が広がっています。


この学問が向いているかも 作業療法学、発達心理学、認知科学

関西医科大学
リハビリテーション学部 作業療法学科 准教授
松島 佳苗 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 作業療法士には「人と関わることが好き」という資質とともに、「自分でいろいろ考えてやってみたい」タイプの人が向いています。人を支援するための方法に、決まった答えはないからです。例えば、手指の力が弱く食事がうまくできない人に対して、どんなサポートをすれば回復が望めるのか、どんな道具を使って補助すればいいのか、その人の「こうしたい! こうなりたい!」をかなえるために、さまざまな手段を考え、よりよい方法を探求するのが作業療法です。幅広い知識をベースに、自分のオリジナリティを生かせる医療専門職です。

先生の学問へのきっかけ

 身近な人の病気やケガが、医療関係に進むきっかけになった人は少なくありません。私も、祖母の足が悪かったことから、医療に関わる道に進みたいと思うようになりました。どんな医療職になろうかと考えた時、患者さんの「できない」が「できるようになる」ことを支援し、心のケアにも関わる作業療法に魅力を感じました。そして、開発途上国での2年間のボランティア活動の経験をきっかけに、発達過程に障がいのある子どもを支援する小児期リハビリテーションを自分の専門分野とするようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

作業療法士(病院)/児童発達支援センター/小児科クリニック/小児リハビリテーション病院/リハビリテーションセンター

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松島 佳苗 先生がいらっしゃる
関西医科大学に関心を持ったら

 「全学年が学ぶキャンパス」「研究施設」「附属病院(本院)」が同一場所に揃い、「医科大学としての真の学園」。その教育研究施設は、現在の日本の医科大学の中でも有数の機能と設備を備えています。新学舎という最新・最強の器が完成し、これに加えて、入試改革、教育カリキュラムの抜本的改変、全学的研究プロジェクトの立上げなど中味の充実を図り、関西医科大学の教育と研究環境は飛躍的に向上します。

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