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講義No.10721

国際社会における「国際法」の可能性とは

バランスが重要な国際法

 コロナ禍でのWHOによる緊急事態の宣言、気候変動対策での1.5℃目標、さらに2030年までのSDGs(持続可能な開発目標)の実現、あなたがよく耳にするこれらの課題は国際法と関わりをもっています。国際法は国家と国家の関係を規律するルールですが、その内容は国家代表による交渉を経て、国家の合意をもって成立します。国家は、合意された国際法の内容を、立法、行政、司法を通じて実現する義務を負います。すべての国が国際法を守るのが理想ですが、国内法のような強制力は、国際法にはありません。よって、各国が納得するルールをいかに構築するか、ルールは守るべきという規範意識と、国際法を守ることによって利益が生まれるという状況をいかにつくっていくかが、重要になります。

国家に対するルールだけではない国際法の意義

 例えば、人権や労働、環境などに関する多数国間条約のなかには、条約の内容がその分野の「国際的に認められた基準」とされるものもあります。そして「国際的に認められた基準」として、国家以外のアクターが行動する際の基準に用いられる場合があります。例えば、企業活動が国境を越えて展開される現在、人権や労働、環境などの「国際的に認められた基準」を尊重することが、企業の社会的責任となっています。

国際的な基準を尊重する企業の社会的責任

 ある国で、軍隊が政権を掌握し、多くの市民の人権が侵害されている場合を考えてみましょう。政権による人権侵害は、国内法上はもちろん、国際人権法に基づいて評価されます。国際連合をはじめとする国際社会が政権の行為が国際人権法に違反する重大な人権侵害であると判断した場合、国家の義務違反はもちろん、この国でビジネスをする企業にも社会的責任が問われることもあります。「国際的に認められた人権基準」に反する国・地域の状況のなかで、人権を尊重するビジネス活動をどのように展開するのか、企業は市民社会からはもちろん、消費者、投資家、労働者、さらには自国政府から社会的責任が求められます。


この学問が向いているかも 国際法学

大阪経済法科大学
国際学部 国際学科 教授
菅原 絵美 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたは、コロナ禍にあって大きな不安を感じたかもしれません。でも、そんな気持ちを大切にしてほしいと思います。「不安」は社会問題を考えるチャンスになります。そして、大学は社会問題の解決の糸口を見つける場所です。大学に入ったら、先生たちに疑問をぶつけてみてください。きっと有効な答えが返ってくるでしょう。
 国際法は、実は生活のさまざまな問題と関係しています。ゲームでも音楽でも動物でも車でも、そこから国際法的な問題を発見できます。あなたの問題解決のきっかけになる、奥深い分野だと思っています。

先生の学問へのきっかけ

 大学生の時にミャンマー軍事政権での人権侵害に関心を持ちましたが、自分では何もできないことに焦りも感じていました。そんな時、アメリカ市民がミャンマー政府と関係する企業やミャンマーでビジネスをする企業を、政府調達から排除する運動を始め、州法の制定に至った事例を知りました(州法は後の裁判で違憲とされてしまいました)。調べていくなかで、これら動きの土台となった国際法や国際人権法の考え方に興味を持つようになりました。国際法には研究テーマとしての関心だけでなく、グローバルな課題解決への期待も感じています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

製造(電子電機、繊維)/国際運輸(航空、海運、運輸)/宿泊業(ホテル)/情報通信/小売業/不動産/大学院進学(国際系)/公務員(警察)

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菅原 絵美 先生がいらっしゃる
大阪経済法科大学に関心を持ったら

 国公私立大 合同進学オンラインイベント「夢ナビライブ2021Web in Autumn」に、菅原 絵美 先生が参加! 先生の講義ライブ動画を10月31日(日)までオンデマンド配信するほか、Zoomで先生に直接質問ができる「講義ライブ質問対応・研究室訪問」を10月2日(土)に実施。夢ナビライブは、600名以上の大学教授や200近い大学がさまざまなプログラムを実施する大型オンラインイベントなので、まずは「夢ナビライブ」で検索してください。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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