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講義No.10719

世の中のマーケットを動かすのは、人である

なぜそれを買うのですか?

 人は、一度これを買おうと決心しても、まったく別のものを買うことがあります。なぜでしょう。それは、ふと目に留まったとか店員に勧められたとか、さまざまな知識と思惑が買い手と売り手の間で交錯するからです。人はどういう心理状態や考えを経て、購入の決断をするのでしょうか?
 2016年の電力自由化で、電力会社を選べるようになりました。それにもかかわらず、例えば日頃利用するスマホの通信会社と同系列の電力会社を、他社と比較することなく契約したりします。これは、もともとある契約に紐づいた購入行動です。

売り手と買い手との共同作業

 「マーケティングに正解はない」といわれながらも、売り手は買い手の商品選択を分析し、購入行動を正しく理解することが、正しい売り方につながるとされてきました。ところが最近、さらに発展した考え方が出てきました。消費者の行動を、わざとしっかりと想定せず、意図的に買い手の想像力に任せる余地を残すというものです。
 ある会社が、健康志向の人をターゲットに無糖の茶系飲料のプロモーションを行ったところ、必ずしも健康志向ではない多くの若者の心に響き彼らに購入されました。CMでは明るい雰囲気で「たくさん食べて、たくさんお茶を飲む」とアピールしたおかげで、若者の想像力を働かせる余地があったのです。売り手と買い手との共同作業によって正解らしきものができる、それがマーケティングだというのが新しい考え方です。

マーケットの主人公は人

 この考え方の下では、売り手は少々冒険的な商品を提案できます。例えば大手化学メーカーのワンプッシュ式の洗剤は、それまでハンドソープやシャンプーなどでは一般的だったワンプッシュのボトルを、洗濯洗剤に初めて取り入れたものです。
 売り手も買い手も人間です。人の行動を考える社会学や哲学、経済学の視点も取り入れながら、人を中心に広くマーケットを考える視点が必要なのです。


この学問が向いているかも マーケティング

愛知淑徳大学
ビジネス学部 ビジネス学科 現代ビジネス専攻 教授
大塚 英揮 先生

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先生がめざすSDGs
メッセージ

 世の中には多くのオトナがいて、多くの仕事があります。しかし高校生が普段接するオトナというと、保護者や学校の先生など狭い範囲に限定されてしまいます。
 狭い世界で生活するあなたが「自分がめざす、将来の夢が描けない」のは、実は当たり前のことなのです。
 さらに、短期間で価値観が変わる世の中でもある今、あなたができるのは、目の前にあることをしっかりやることです。そして大学で、大人から与えられるものと自分の思いとを組み合わせ、将来の夢を描いてみましょう。慌てなくても、夢を描くのは大学に入ってからでも遅くありません。

先生の学問へのきっかけ

 昔から小説を読むのが好きでした。主人公の心理描写を解釈するのが好きで国文学を志したのですが、周囲の意向もあり商学部へ進学します。そこで商学部にもかかわらず、ひたすら経済学と哲学の2冊の本を読むという、一風変わった、のちの恩師に出会いました。特にカール・ポパーの「科学に権威を持ち込んではならない」という言葉に感銘を受けました。学問を進歩させ、真実を明らかにするためには権威は不要という考え方です。心理とマーケティングとの関係にアプローチした学問に対し、より学びを深めたいと思いました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

メーカーの広報部門/企画営業/広告代理店

大学アイコン
大塚 英揮 先生がいらっしゃる
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 愛知淑徳大学は、9学部13学科11専攻を擁する総合大学です。「違いを共に生きる」の理念のもと、常に新しい時代に対応できる人材の育成をめざし、独自の学びのシステムを展開しています。実社会で生かせる力や資格取得を目標とし、多様な知識と技術を身につける「全学共通教育」と、学部・学科ごとの専門分野を追求する「専門教育」で、高度な専門知識と実践力、豊かな人間性を養います。総合大学のメリットを生かし、学部・学科の枠を超えて学べる教育環境も整備。学生一人ひとりの学ぶ意欲に応えます。

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