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講義No.10705

社会と経済を支える「家計」について考える

家計管理とライフプランニング

 経済の循環をもたらす3つの経済主体が、家計、企業、政府です。生活経済学では、家計を中心として企業や政府との経済活動を理解していきます。家計収支や消費・貯蓄行動は、そのときどきの社会や経済の動向によって大きく変動します。不安定な社会情勢のなかでは、さまざまな生活問題やリスクに直面することを予想しながら、長期的な視点で家計管理とライフプランニングをたてていくことがますます必要になってきます。

家族の多様化と家計問題

 家計は、「世帯」という単位で把握されますが、現代の日本ではその世帯を構成する家族のあり方が多様化しています。例えば、離婚の増加など、世帯構成そのものが変化することも想定して、家計行動を理解する必要性が高まっています。離婚世帯の約9割は母親が親権をもつ「ひとり親世帯」になります。父親からの養育費が不払いになって、母親が家計をすべて負担するケースがみられます。母子世帯の平均収入はそうでない世帯の約3分の1となっていて、離婚によって教育の機会や生活のゆとりを失う子どももいるのです。現在、年間約21万人の子どもたちが親の離婚を経験しています。

変わるべき制度と価値観

 母子世帯の家計負担は「子どもの貧困」として社会問題化しています。政府はさまざまな対策や支援を行っていますが、そもそもなぜ親の離婚が子どもの貧困を引き起こすのか考えてみることも重要です。離婚後に母親がひとりで家計負担を背負わざるをえなくなるのは、日本の離婚制度が単独親権を採用していることとも関係します。また、子育てに必要な養育費や教育費が、諸外国に比べて政府による公的負担よりも、家計による私的負担の割合が高いからでもあります。子どもの幸せと権利を守るためには、多様化する家族のあり方に合わせて、法制度や価値観をアップデートすることが欠かせません。具体的な家計問題の背景を探り、解決に向けた法制度・政策のあり方を学ぶことは、今後のライフプランニングにも役立ちます。


この学問が向いているかも 生活経済学、生活科学、家族社会学

大阪産業大学
経済学部 国際経済学科 准教授
菊地 真理 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校時代から、身の回りのことだけでなく、ニュースや新聞を通して、経済社会で起こっている出来事にも関心を向けてください。さらに、報道のされ方にも注意してください。例えば、家族にかかわる報道では、「家族は支え合うもの」「家庭には愛情があふれている」といった意味づけをされることがあります。しかし、家族のあり方が多様化する現在、そのような価値観にとらわれていては見えてこない問題が確実に増えています。より客観的に経済社会をとらえるためにも、常識や思い込みを疑い、ニュースの裏側を読む力を養ってほしいですね。

先生の学問へのきっかけ

 「家族」に関心をもったきっかけは『家裁の人』というテレビドラマでした。家族関係に介入し、当事者が抱える葛藤に向き合う職業があることに感銘をうけました。大学では家族社会学・家族関係学を学び、児童相談所でケースワークにかかわる経験をしました。経済的困難により教育の機会を奪われたり、家庭環境により虐待を経験したり、子どもと接する中で、子どもが抱える問題の背景には、家計や世帯の特性、家族関係のダイナミクスがあることを実感しました。以来、経済学や社会学、家政学といった観点から家族の問題を研究しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融・銀行/専門小売/製造業販売/住宅販売/企画販売/流通事務/教諭(高校)/公務員(消防・自衛官)/幼児教育指導員/福祉介護職など

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菊地 真理 先生がいらっしゃる
大阪産業大学に関心を持ったら

 経済学は「お金」の流れを掴みながら、経済のしくみを探る学問ですが、「お金」について学ぶだけが経済学ではありません。人や企業の行動を分析し、どうすれば「幸せな社会」を創造できるのか、私たち人間と経済社会との関係を総合的に研究するのが経済学です。国際経済学科は、よりグローバルな視点で活躍できる人材を育てます。経済学科は、経済の視点から社会の変化を捉える力を身につけます。また、経済学部には「特別コース」(上級キャリア、公務員、観光ビジネスコース)があり、各々の分野に関する特別な教育を展開しています。

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