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講義No.10701

シミュレーションで生態系の危機を救え!

人間も生態系の一員

 自然界に生きる多種多様な生物は、栄養分や水などの資源をめぐり競争関係にあったり、食べたり食べられたりと、お互いに関わり合って共存しています。多種の生物の共存を当たり前のように思うかもしれませんが、現在、生物多様性が人間の活動の影響を受けて失われつつあるのです。持続可能な社会を実現するためにも、その土台である生態系が健全でなければいけません。生態系を守るには生態系の仕組みを理解することが必要ですが、簡単ではありません。生態系で起きていることはとても複雑だからです。野外での大規模な実験も難しいため、数理モデルやコンピュータシミュレーションによる研究が進んでいます。

さまざまな条件で生態系をシミュレーション

 例えば、野生動物の保護区を作ろうという計画があるとします。その際、広大なエリアの保護区を1カ所作る場合と、小さい保護区を分散して作る場合とでは、どちらが生態系のバランスを保つのに適しているのか、コンピュータシミュレーションを用いて解析し、政策決定に生かすことができます。例えば、「食べる・食べられる」の関係にある生物間で起こる個体数の増減、どのように行動する生き物が生き残りやすいかなどを、ルールとして数式で表します。この数理モデルをもとにコンピュータプログラムを作ってシミュレーションを行います。対象となる生物の種類や環境の違いなど、条件をいろいろ変えながらシミュレーションを行うことで、どのような環境になれば存続しやすい生態系になるのかを、可視化できるのです。

生態系保護活動への活用に期待

 気候変動により地球温暖化が進み、絶滅危惧種の増加も懸念されています。ある特定の種がいなくなれば、ほかの種への影響は避けられず、生態系のバランスが崩れてしまいます。シミュレーションはあくまで仮想世界のものですが、生態系保護のベースになり得る知識として、その活用が期待されています。自然界が健全に存続できれば、人間もまた存続していくことができるのです。

参考資料
1:生息地分断に関するシミュレーション
2:パッチ間の移動分散の影響(卒論要旨)

この学問が向いているかも 数理生態学

東北工業大学
工学部 環境応用化学科 教授
穴澤 正宏 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 若い時期は好奇心を持つことが大切です。世の中では、すぐ役に立つことばかりに注目が集まってしまいますが、いつ役立つかわからないことでも、好奇心を持って取り組み、またいろいろなことに疑問を抱くことも大事です。
 学校で毎日、教科書に書いてある通りに授業を受けるだけでは、面白みはありません。教科書に書いてあることに対して「なぜだろう?」と疑問に思うこと、そしてそれを調べてみることで勉強は面白くなっていくし、あなたの知識も、世界も、ずっと深まります。

先生の学問へのきっかけ

 子どものころから自然の仕組みに疑問を持ち、それを解き明かしたいと思っていました。そして、自然科学の根本は物理だと知り、自然の法則をきちんと知るために物理を勉強したことが、自然の仕組みを理論的に研究するようになったきっかけです。その後、環境に関わる研究をしたいと考えていたところ、数理生態学という学問分野があることを知り、興味深く学ぶようになりました。現在は、コンピュータシミュレーションや数理モデルを通して、自然の中で存続しやすい生態系の条件を明らかにする研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

情報処理会社システムエンジニア/地方公務員/食品会社技術職/資源リサイクル会社技術職

研究室
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穴澤 正宏 先生がいらっしゃる
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 本学では、「創造から統合へ」をユニバーシティスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
 進化し続ける学びのステージ。それが東北工業大学です。

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