考古学、青銅器研究
九州大学
共創学部 共創学科 准教授
田尻 義了 先生

遺跡は、どんな時代のものであれ、歴史の断片の一つです。自分のルーツや、現代のあり方を知る大きなきっかけにもなり得るものですから、昔のこととして切り離さずに、関心を向けてみてください。
幸いなことに、あなたが住んでいる周辺には、少し歩けばいつの時代かの遺跡に行くことができます。なぜそれらが今も残っているのか、どういう役割を果たしていたのかといったことに、少しでも興味を持ち、調べてみてほしいです。考古学は現在につながっている学問です。

私が成長した神戸市灘区桜ヶ丘町は、国宝に指定されている桜ヶ丘銅鐸という青銅器が出土した遺跡が存在しています。そこで育ったことで、考古学に興味をもつようになりました。大学では第二次世界大戦の激戦地となった沖縄で戦跡考古学の発掘調査なども行っていました。2年生の春休みに参加した、福岡県の弥生時代の集落の遺跡で、担当した住居跡から青銅器をつくる鋳型を発見しました。それ以来青銅器が日本にどう伝わり、どのように作られていたのかを探究するようになり、弥生時代における青銅器生産を専門に研究を続けています。

公務員/文化財保護