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講義No.10690

今後に生かせる「地域防災」を考えよう

地域防災に求められる多様性

 東日本大震災の当時の避難行動に関する検証が進んでいます。見えてきた課題も多く、それらを考察しながら、今後も起こり得る自然災害に対する地域防災の仕組みづくりが急がれています。
 地域防災は、災害発生直後の避難行動から、いつ起こるかわからない災害に備えたまちづくりまで、その内容は多岐にわたります。ひと言で「地域」といっても、その現状はさまざまで、東日本大震災の被災地を見ても、都市部もあれば、農山漁村もあり、自然との関わり方を含む景観も、コミュニティの形成も、それぞれ大きく異なります。地域特有の事情を踏まえた、多様性のある地域防災を考える必要があります。

「海が嫌いにならない」防災教育

 学校における子どもたちへの防災教育はこれまでも重要視されてきましたが、東日本大震災では、想定を超える津波が大きな被害をもたらしました。命を守るという視点においては「大きく揺れたら津波が来る。危険だから早く逃げて!」と教えることで、避難への意識は高まります。一方で、危険ということだけが強調され過ぎると、子どもたちは海を嫌い、避けるようになってしまうかもしれません。漁業を生業としてきた地域では、そうしたことに配慮した防災教育が求められます。学校や家庭、地域の連携も必要です。

記憶や記録を伝えていくことも大事

 災害の規模や被害状況はもちろん、その後防潮堤や高台移転などの経緯とそれらにともなう地域の景観変化、集団移転によるコミュニティの変化など、まちづくりはどのように行われ、人々の生活はどう変わっていったのかという記憶と記録を後世に伝え続けていくことも、これからの地域防災を考える上で大事なことです。
 若者が少なく、伝承活動が進まない地域や、総合的かつ客観的な視点を持ってサポートしてくれる人がいない地域もあるでしょう。そんな時は地域の外の人々や専門家などの力を地域と丁寧に合意形成を行いながら活用することも、よりよい地域防災の仕組みづくりには有効です。


この学問が向いているかも ライフデザイン学

東北工業大学
ライフデザイン学部 生活デザイン学科 准教授
畠山 雄豪 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「地域防災」は建築に似ていると思います。建築には計画や設計、構造、材料、施工などに加え、芸術的要素、合意形成など幅広い知識が必要なように、地域防災という学問にも多様な分野が広く関わり、アプローチの仕方も多岐にわたります。
 地域防災に興味があるなら、自分がやりたいことは何かを考えながら、さらに広い世界に目を向けて深く探究してみましょう。そして常に「この仕組みはどうなっている?」「この景観はなぜ美しい?」という疑問を大切にしてください。あなたが感じた「なぜ?」を、一緒に解決していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 建築家になる夢を実現するため、北海道の大学へ進みました。東京育ちの私は、北の大地の広大な自然や雪の多さに衝撃を受けながら、札幌は、なぜ自然現象をふまえた建物やまちの構成をしていないのか、と疑問を抱き、考えていくうちに、まちを俯瞰(ふかん)的に見ることに面白さを感じるようなになりました。その頃、縁あってニューヨークで過ごす機会がありました。9.11の同時多発テロが起きたのはその翌年のこと。その出来事が、防災という視点でも景観をとらえるようになった、大きなきっかけの一つです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自治体職員/都市コンサルティング企画設計/消防士/建設会社設計・営業/金融機関/通信会社SE など

大学アイコン
畠山 雄豪 先生がいらっしゃる
東北工業大学に関心を持ったら

 本学では、「創造から統合へ」をユニバーシティスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
 進化し続ける学びのステージ。それが東北工業大学です。

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