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講義No.10689

「コンクリート」+「新材料」で、無限の可能性を切り開け!

繊維状の素材を加えてひび割れを制御

 建築物から土木構造物まで広く使用されているコンクリートは、社会生活を支える重要かつ身近な建築材料ですが、引っ張られると脆(もろ)いという弱点があります。地震の揺れなどで幅の広いひび割れが1本入っただけで、全体が壊れてしまうこともあり、安全性の向上をめざした研究が進んでいます。
 いま期待されているのが、コンクリートに繊維状の素材を混ぜ合わせた、超高靭(じん)性コンクリートです。地震エネルギーを吸収しながら柔軟に変形することで、ごく微細なひび割れはたくさんできますが、致命的な危険を及ぼす幅の広いひび割れを抑制でき、耐久性も高まります。

エアロゲルで断熱効果向上

 地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)排出量の削減が求められています。建築分野でも重要なテーマであり、1つの方法として、コンクリートによる建物の断熱性向上が考えられています。ここでコンクリートと組み合わせるのは、地球上で最も軽くて断熱性に優れた、「エアロゲル」と呼ばれる固体です。この組み合わせにより超高断熱機能を備えたコンクリートになり、建物の壁に用いることで空調に費やすエネルギーを減らせます。既存のコンクリートに吹き付けて使用することができ、寒冷地では実用化が進んでいます。

人工筋肉でひび割れ制御も可能に

 ナイロンの釣り糸で作った「人工筋肉」をコンクリートの中に入れる、という研究も行われています。人間の筋肉は脳からの微弱な電気信号を受けて動いていますが、同じように、コンクリート内の人工筋肉に電気を流すことで、自らひび割れを治すことや、地震の揺れを感知して人工筋肉を収縮させ、ひび割れを防止するということが期待されています。
 コンクリートは建物を安く造れる建築材料です。その実用技術は古くから確立していますが、ひび割れを防ぎ、安全性と寿命の向上をめざした研究開発は、今後も活発に行われていきます。


この学問が向いているかも 建築学、建築材料学

東北工業大学
建築学部 建築学科 准教授
菊田 貴恒 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 子どもの頃は誰もが「なぜ? どうして?」を繰り返し、周囲の人たちを困らせていたと思います。ところで現在のあなたは、何かに疑問を抱くことがありますか? そしてその問いを、自分で考えようとしていますか? 答えを早く求めたいからと、自ら考えることなく検索してはいないでしょうか?
 学問は、実験から結果を得たら終わりではなくて、「どうしてこの結果になったのか」、その先を考えることがとても大事です。私がずっと研究を続けられる原点は、「なぜ? どうして?」という疑問です。

先生の学問へのきっかけ

 父の影響か、小さい頃から建築物を見るのが好きでした。特にオーストラリアのオペラハウスのような、構造を主張している建物が好きで、構造を勉強して設計士になりたいと思うようになりました。大学でも構造を研究していましたが、博士課程では建築材料の研究室で「セメント系材料の研究」に取り組むことになったのです。それがとても面白くて、添加の仕方ひとつで性能を変えられる材料の世界にのめりこんでいきました。論文を大量に書かねばならず、大変苦労しましたが、辞めるという選択肢は思いつきませんでした。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ゼネコン構造設計/教諭(工業高校)

大学アイコン
菊田 貴恒 先生がいらっしゃる
東北工業大学に関心を持ったら

 本学では、「創造から統合へ」をユニバーシティスローガンに掲げ1964年の創設以来、3万人を超える卒業生を輩出し、日本の、とりわけ東北地域の産業・経済の発展に大きく貢献してきました。自然に囲まれた豊かな環境でありながら、仙台市街地にも近く利便性の良い 「八木山キャンパス」「長町キャンパス」の両キャンパスで創造的な思考を学ぶべく、最先端の環境を整え、学生の期待と意欲に応えるカリキュラムを用意しております。
 進化し続ける学びのステージ。それが東北工業大学です。

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