学校教育における読書
学校教育の中で、読書は重要な役割を果たしています。学校の図書室で本を読んだり、借りたりするだけでなく、調べ学習をはじめとする探究型の学習にも取り入れられています。授業の一環としてさまざまな書籍や事典を読むことで、世の中のことを知り、それについて考え、最終的に自分の意見をまとめ表明する自己表現の力が養われます。
インターネットは検索した情報にピンポイントでアクセスできますが、書籍は一覧性や照合性に優れ、また紙面や索引をたどるうちに、当初の目的とは違う情報も目に入ることで、より関心が広がりやすいという長所があります。
NIEとは
NIE(Newspaper in Education)は、学校で新聞を教材として活用する活動です。1930年代のアメリカで始まり、日本では1985年にスタートし、国語や社会など教科の学習に取り入れられています。NIEには様々な手法があります。その一つである、記事のスクラップでは、児童・生徒が新聞に目を通し、その中から記事を選んで切り抜き、まとめることで、それまで知らなかった出来事を知り、社会への関心を高め、自分ごととして考えを深めることにつながります。さらに、自分の関心のあることを深く探究することができます。
実践研究を通して
教育学の分野では、読書や新聞を教育に取り入れるための研究が進んでいます。この研究では、実践することが重要です。例えばある学校と協力した研究プロジェクトでは、授業の中で生徒がSDGs(持続可能な開発目標)に関する新聞を作りました。生徒が取材や調べ学習をして、SDGsについて学んだことをまとめた記事の内容や生徒へのアンケートなどから、得られた学習効果の検証が行われています。
読書や新聞を通して読み書きすることは、言葉の力を養うことにつながり、それは学校教育だけでなく、生涯学習という観点からも不可欠です。読書や新聞を教育に取り入れる効果についての研究は、学校だけでなく社会の中で広く役立つものだといえるでしょう。