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講義No.10677

栄養指導だけじゃない! 「公衆栄養」を担う管理栄養士

健康生活に必要な社会の仕組みを作る

 管理栄養士は、病院や学校給食などの現場での給食管理や栄養支援を行うほか、保健センターなどで妊婦の栄養指導や離乳食のアドバイス、成人を対象とした生活習慣病予防のための栄養指導、高齢者に対する介護予防の指導なども行っています。また、保健所や保健センターでは、健康に関する地域社会の問題や課題を把握し、解決するための仕組みを考え、実践します。このように、社会に必要な環境を健康や栄養の面から考え整備することを「公衆栄養」と言い、それを実現するための学問が「公衆栄養学」です。公衆とは、広くは集団を意味しますが、もちろん個人も対象です。一人ひとりが良くなれば、おのずと集団も良くなるからです。

「ナッジ」で人を動かす

 「健康な毎日に朝ごはんは大事」とわかっていても食べない人がいるように、知識だけではなかなか人は動きません。そこで管理栄養士は行動経済学の理論である「ナッジ」を活用し、自らより良い行動を選択するよう誘導します。例えば社員食堂を調査し、「肥満の人は丼物や麺類を選ぶ傾向にある」とわかった場合、POPなどで情報提供するほか、栄養バランスのとれたメニューを前面に並べ、無意識のうちに手に取るよう促すのです。食品に栄養成分を表示したり、減塩などと明記することも、健康を意識する人の行動を誘導します。喫煙できる場所を減らすことで喫煙率が下がったように、環境を変えていくことで人々の行動を変える仕組みを作ることができます。

健康格差の縮小をめざして

 国は、「健康格差」の縮小を目標に掲げています。一方で、健康格差は経済格差に比例するという調査結果もあります。新型コロナの影響で収入が減り、食事は栄養より価格を優先せざるを得ない人、外出を控えたため運動不足になったという人も増えており、健康格差の拡大が懸念されています。公衆栄養の観点から、一人ひとりへの栄養に関する教育と、格差是正のための社会の仕組みづくりという、双方向からのアプローチが求められています。


この学問が向いているかも 公衆栄養学

帝塚山大学
現代生活学部 食物栄養学科 准教授
岩橋 明子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 自分や家族の将来の年金、医療、介護などがどうなるか、考えてみたことがありますか? 私たちはこうした社会の仕組みに守られながら生活しています。社会の仕組みに目を向けてみましょう。新聞でもネットでも、さまざまな方法で調べることができます。
 管理栄養士は、自分も家族も、周りの人も、皆がハッピーになるような社会の仕組みを作ることができる仕事です。私たちの生活に役立つ知識も得られます。より広い視点から人を支えられる管理栄養士をめざして、一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校生になり、思春期を迎えた私の関心ごとはダイエットでした。自分の体は食べたものでできていると考えると、食べ物のことが気になりだし、さまざまな本を読むようになりました。そして「栄養学って面白い!」と興味を持ったことが、管理栄養士をめざしたきっかけです。管理栄養士は病院などで食事の栄養を管理・支援するイメージが強いと思いますが、地域の人たちがより健康的に生活するための社会の仕組みづくりにも大きく関わります。自分の学んだ経験や知識を伝えたいと考え、現在は大学で教えながら研究を続けています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

保健センター(管理栄養士)/病院(管理栄養士)/保育所(管理栄養士)/健診機関(管理栄養士)/小学校(栄養教諭)/食品関連企業/ドラッグストア(管理栄養士)/大学院進学

大学アイコン
岩橋 明子 先生がいらっしゃる
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