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講義No.10670

新しい医療計測技術が世の中の役に立つまで

医療の入り口となる医療計測

 人の体の健康や病気の状態を測ることを「医療計測」といいます。医療計測の分野では単に血圧や心拍数を測るだけではありません。病気を見つけるための健康診断などの計測と、病気になってから治療の有効性を確かめるための計測があり、どちらも医療の重要な指針となるものです。また、病気ごとに示す兆候を特定し、その度合いを測る方法を確立する研究も続けられています。

乳がん検診を正確に手軽に

 女性が一番かかりやすいがんである乳がんは、罹患者数も死亡者数も年々増加の傾向をたどっています。早期発見により9割が治るというデータもありますが、日本の乳がん検診の受診率は40%台と世界平均と比べてとても低いのが現状です。また、現在の検診の主流であるX線検査のマンモグラフィーでは早期発見が難しく、血液検査では乳がんを特定できません。
 そこで、乳房内の体液に着目した新しい検査方式が研究されています。体液には多くのタンパク質が含まれており、その中から乳がん患者にのみ多く見られるものを特定すれば、その物質が乳がんの存在を示す目印(マーカー)となります。すでに解析によりマーカー候補となるタンパク質が見出され、現在は検診の実現化に向けたサンプリング機器の開発や臨床研究の段階まで進もうとしています。

研究の成果が世の中に普及するには

 このような新しい技術は、原理の究明と装置や試薬の開発だけでは世の中の役に立つまでに至りません。例えば、感染症の種類を判別する技術がありますが、これにはカブトガニの血液が細菌のかけらに反応することが発見されてから、それを利用した機器が広く普及するまでに約半世紀もかかりました。それまでには、材料やコンピュータなどの科学技術の発展が実現を牽引し、世の中のニーズが普及の後押しとなりました。新しい技術が普及するには、何に役立てるかという用途の発見と研究、それを生かす開発、公定法や学会が定めるルールの制定のほか、時代やニーズの巡り合わせも大事なポイントなのです。

参考資料
1:乳がん測定感染症測定

この学問が向いているかも 臨床工学、医療計測学

滋慶医療科学大学
医療科学部 臨床工学科 教授
大石 晴樹 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 必ず答えがある高校までの勉強とは違い、大学からの勉強には正解がありません。大学そしてその先の社会では、仮説と検証を繰り返し、結果が出せればそれが正解になります。与えられるのを待つのではなく、好奇心で自分から動くようにしましょう。
 そして、何ごとも一人では成しえません。研究には多岐にわたるメンバーが集まり、実用化には多くのパートナーが加わります。現在の医療もチームで行っており、臨床工学技士もその中の重要な一員です。チームで動くために、自分の頭で考える力とコミュニケーション力を大切にしてください。

先生の学問へのきっかけ

 物理学者を志すほど物理が得意なわけではなかったのですが、科学の根底は物理にあるという信念のもと、大学は理学部の物理学科を選びました。大学で物理を学ぶ中で、実験をしていると「測る」ことは学問の基本なのだと感じ始めます。「測る」とはどういうことか、「測れない」ものを測るにはどうしたらいいのか。測る道具を自分で作るために、修士課程は工学部に進みました。理学部から工学部に移ること、後に新規事業を立ち上げるため化学系の会社に就職することは大きな決断でしたが、迷った時には大きく飛ぶ方を選ぶことにしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

臨床検査技師/放射線技師/細胞検査士/CRO職員

大学アイコン
大石 晴樹 先生がいらっしゃる
滋慶医療科学大学に関心を持ったら

 滋慶医療科学大学は、臨床工学技士法が施行された1988年から臨床工学技士の育成を率先して行い、多くの人材を医療機関や医療機器メーカーに排出してきたパイオニア的な存在の姉妹校を持つ大学です。
 加速度的に技術が進化する医療現場の「変化」に対応できる臨床工学技士を育成するカリキュラムを用意しているところが本学の特長。
 キャンパスは新大阪駅から徒歩2分の超・駅チカキャンパス。通学時間の短縮で生まれた時間は、勉強や学外活動など、自由かつ有効に活用することができ、充実した学生生活を後押しします。

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