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高知県立大学の教員による講義

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災害被害者の状況をスマホで登録 活躍するのは看護師

大災害で状況を把握するのは難しい

 東日本大震災のような大災害では、初動での状況把握が重要です。しかし、被災者の状況を把握するのは困難です。東日本大震災では災害関連死の約65%は、災害前から病気や障がいのある人、高齢など災害時にリスクが高い人々でしたので、このような人々を災害前から把握しておく動きが進んでいます。これに該当しない、健康な人々の状況把握は難しく、対策が求められています。

QRコードとスマホを使った情報共有システム

 そこで開発されているのが、QRコードとスマートフォンを使った情報共有システムです。このシステムは、災害地にいる看護師などの医療従事者が、一人ひとりの被災者の被害状況や健康状態、位置情報、時間、受け取った支援物資などを登録して、それをクラウドに保存して関係者が共有できるようにするというものです。
 このようなシステムで壁となるのが、個人情報保護の問題です。そこで、名前や住所を使わずに個人を識別するために、被災者にはQRコードを印刷したリストバンドを配付してそれを読み込みます。情報を入力するのはあらかじめ登録してある身元が確かな医療従事者たちなので、情報の信頼性が確保されます。

新型コロナのような被災者が分散した状況でも活躍

 このシステムの利点は、まず個人情報が守られることです。また、登録者は決まった医療従事者なので、SNSで伝える安否情報のように悪意のあるなりすましの恐れもありません。利用可能な通信ネットワークとスマホが1台あれば使用できます。特別な機器の導入や事前のトレーニング、アプリのダウンロードが不要です。必要な情報は、ほぼ選択するだけで入力できる仕組みで、操作は簡単です。被災者はスマホをもっている必要はありません。
 このシステムは、新型コロナウイルスのような感染症が流行する中で災害が起こった時にも活躍します。密集を避け分散避難した場合も、被災者を把握した時間と場所は自動で登録されます。被災者同士の接触を最小限とし、感染リスクを抑えることもできるのです。

この学問が向いているかも 災害看護学


看護学部 看護学科 准教授
木下 真里 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校では、進学先をどこの大学にするか、どの学部にするか、卒業後にどんな進路を進むか、については考えますが、大学で何をするかまでは考えが及ばないかもしれません。私もそうでした。しかし、実際に社会に出るとわかるのですが、高校生が考えるよりも社会は多様で、進学先によって将来のすべてが決まってしまうわけではありませんでした。大学で学んだこと、経験したことを活かす機会はたくさんありますので、大学で何をするかも調べた上で進路をきめると、その後のキャリアがより豊かなものになるかもしれません。

先生の学問へのきっかけ

 大学では、実用的な看護を学問として探究することに疑問を感じていたため、卒業後は、看護から距離をおき、集団の健康について科学的な手法で研究する公衆衛生の分野に進みました。しかし、海外で政策にかかわる仕事に携わってみると、公衆衛生では個の視点が不十分になりやすいことに気づきました。そこで、日本国内の専門医療機関で一人ひとりの患者とじっくり向き合う看護師の仕事に転職したところ、以前よりも深く健康問題を理解できるようになりました。今は災害対策のためのシステム作りに、集団と個、両方の視点を生かしています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

災害看護研究者/看護師/保健師

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