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講義No.10650

見た目だって大切~給食のさまざまな課題を解決する管理栄養士

管理栄養士の役割

 病院や老人ホーム、学校などでは給食サービスがあります。そのなかで、組織の一員として適切な食事を円滑に提供するのが管理栄養士です。例えば高齢者施設であれば、年齢、健康状態、食習慣が一人ひとり違うため、それに合わせてメニューや提供方法を変える必要があります。利用者全体の食事を管理して、栄養状態をより良くし、健康な生活のサポートをするのが管理栄養士の役割です。

食べる人の課題に合わせた食事

 高齢者施設では、疾病や年齢などによって求められる栄養や量は異なります。また、食べる能力も人によってさまざまです。飲み込みがうまくできない人は誤って食事が気管に入る誤嚥(ごえん)の危険性があります。そのような場合は、食べやすいようにとろみを付けたり、食材をつぶしてゼリー状にしたりします。見た目も食欲には大切なので、魚の形などに型抜きをする場合もあります。
 給食の調理から実際に口にするまでには、調理師、介護士などの専門職が関わります。一人では食事がうまくできない人には介助が行われますし、疾病があったり、リハビリ中の人には医師や看護師、理学療法士などが関わります。そうした専門職から、その人がおいしく食べられているか、残食量、病状や必要な栄養素などの情報を得て、専門家の意見を参考に、管理栄養士は食事全体を管理します。

コスト管理・メニュー開発にも関わる

 施設で働く管理栄養士には、予算内に収めるコスト管理も求められます。野菜は天候で価格が変動しますから、コストがかかるときは代替メニューが必要になります。また、食材の配送が遅延するなどのアクシデントにも対応しなければなりません。食欲を促すには、時折新しいメニューを開発して加えることも必要です。例えば、地元の食材を使って、調理師と一緒にさまざまな料理を考える場合もあります。管理栄養士は、メニューを考えて提示するだけでなく、さまざまな領域に目配りをして解決法を考える能力が求められるのです。


この学問が向いているかも 給食経営管理論、管理栄養学

高知県立大学
健康栄養学部 健康栄養学科 講師
島田 郁子 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 管理栄養士は、さまざまな領域で活躍することが可能です。給食施設がある学校などの公的機関はもちろん、企業の社員食堂などでも、より良い献立を考え、食事を提供します。また献立を考える能力を生かし、食品メーカーの開発部門で活躍する人もいますし、厚生労働省で食に関するデータを調査し、施策につなげるという仕事もあります。個人事業主として、食育などの食に関する講演やアドバイスもできます。
 重要なのは得意分野を持つことです。興味があるなら、めざす領域を定めて、技能と知識を身につけてほしいです。

先生の学問へのきっかけ

 私は社会人になってから、マレーシアへの青年海外協力隊に日本語教師として参加しました。多民族国家の食文化が大切にされている様子を見ることができました。多様な文化・価値観を知った私は、何かの専門家になろうと考え、資格取得をめざして大学に入り直しました。そこで選んだのが管理栄養士です。さらに大学院に進んで、協力隊での経験からイスラム教の断食に関する研究を行いました。それが研究者としての出発点です。現在は、災害に役立つ献立づくりや地域の産物を生かしたメニュー作りを学生と一緒に行っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

栄養教諭/病院管理栄養士/高齢者施設/行政管理栄養士/給食受託会社

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島田 郁子 先生がいらっしゃる
高知県立大学に関心を持ったら

 高知県立大学は、文化学部、看護学部、社会福祉学部、健康栄養学部の4学部で構成しています。高知県は全国と比較して、高齢化で10年、人口減少で15年も先行しています。少子高齢化社会や南海トラフ地震対策など山積する課題を乗り越えて、未来の社会をどう形成するかに、学生と教職員は真剣に取り組んでいます。全学生が地域で活動し、地域の人々とともに学びあう教育に力を入れており、卒業後には、学部で身につけた専門知識を生かして地域で活躍できる人材となることをめざしています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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