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講義No.10649

人の状況を自然に察知しサポートするウェアラブルデバイスの開発

人間の行動を認識しサポートする

 スマートウォッチのような体に装着する「ウェアラブルデバイス」は、人の行動をつぶさに認識することができます。例えばランニングシューズの中に加速度や圧力を測るセンサを組み込むことで、疲労による走行フォームの崩れを認識し、修正するように働きかけることができます。また、医療分野における内視鏡手術は長時間にわたり医師が疲労しやすいという課題があります。施術中の医師の筋肉の動きや体のバランス、姿勢といった要素を計測して疲労度を数値化し、対策に役立てることもできます。このように、人間の状況をウェアラブルデバイスで認識し、状況に応じた介入を行う仕組みを研究する研究分野を「ウェアラブルコンピューティング」といいます。

あらゆる場面で人の状況を把握

 「母親が授乳中にスマートフォンを操作すると、赤ちゃんがぐずる」といわれています。実際に赤ちゃんや母親にセンサを取り付け、データを解析することで、その説の信ぴょう性に迫ることができます。また、会話中の人のうなずきや姿勢の変化といったデータを取得することで、その会話における重要な点がわかるでしょう。さらには「対面授業とリモート授業における学生の学習の質の差」なども明らかにできます。人の身体的な状況だけではなく、コミュニケーションや心理的な状況を認識し、サポートすることも可能になっていくでしょう。

自然に人をサポートする未来の技術

 現在は研究段階であり、特に個人差があるため計測データにバラつきが出やすく、いかに個人に適応させるかが課題です。一方、人間の着地衝撃を利用して発電し、外部電源なしで常時計測できる機器など、新技術の開発も進んでいます。人に密接な「ウェアラブル」という特性を生かして、違和感なく自然に状況を察知し、適切にサポートしてくれる点が、ウェアラブルコンピューティングの大きな特徴です。人間が苦手なことを克服し、得意なことはさらに伸ばすことができる未来の技術として、一層の進化と実用化が期待されています。


この学問が向いているかも 電気・電子工学、情報・通信工学

神戸大学
工学部 電気電子工学科 助教
大西 鮎美 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 大学は「授業を受けるところ」というイメージをもっている方が多いかもしれませんが、同時にさまざまな研究を行う場所でもあります。教えられたことを覚える高校までの「授業」と違って、自分が疑問をもったり仮説を立てたりして、実際に確かめていくことが研究の意義です。
 まだ誰も確かめたことがないこと、この世界にまだ答えが用意されていないことを自ら考え、証明していくという経験こそ、大学で学ぶ醍醐味(だいごみ)です。ぜひあなたにも体験してもらいたいです。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代はテニス部に所属し、ラケットの振り方やステップといった動きを自分なりに考察し、ノートにつけていました。大学は「自分で何かを作れる人」になりたいという思いから工学部に進み、そこで人間の行動認識をテーマとする研究室に入りました。その研究室には運動施設があり、自分が好きな運動が研究対象になることに興味を覚え、研究にのめりこみました。現在はコンピュータを使った行動認識やその解析をベースに、日常生活におけるさまざまな困りごとの解決といった視点も取り入れた研究を続けています。

研究室
大学アイコン
大西 鮎美 先生がいらっしゃる
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 神戸大学は、国際都市神戸のもつ開放的な環境の中にあって、人間性・創造性・国際性・専門性を高める教育を行っています。
 また、神戸大学では、人文・人間系、社会系、自然系、生命・医学系のいずれの学術分野においても世界トップレベルの学術研究を推進すると共に、世界に開かれた国際都市神戸に立地する大学として、 国際的で先端的な研究・教育の拠点になることを目指します。

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