歴史学、オスマン帝国史学、遊牧民学
長崎大学
多文化社会学部 多文化社会学科 准教授
岩本 佳子 先生

インターネットの発達で、現代はさほど努力しなくても多くの情報が入ってきます。このような環境では、情報を批判的にとらえることが重要です。批判というのは悪口ではなく、相手の意見を素直に一度は受け入れて、その中で違和感や疑問を持ってその意見を検証することです。例えば中東をめぐっては「イスラム教とユダヤ教の千年以上続く宗教対立」という言われ方がされますが、実は両者が共存していた時代もあります。
嘘やデマも容易に広がるようになってしまった情報化社会を生き抜くために、あなたも批判的思考をぜひ身につけましょう。

中高生のときはマンガやアニメが好きでした。当時流行っていた『エヴァンゲリオン』には天使の名前がついた敵が出てきます。天使が好きだった私は、イスラム教にも天使がいることを知り、イスラム教関連の本を読むようになりました。大学ではイスラム教への興味から中東の歴史が勉強できるゼミを選びました。研究では言語力が必要になりますが、勉強した中で最も性に合ったのがトルコ語でした。そこから、この言語の史料が多いオスマン帝国の研究を行うようになりました。特にオスマン帝国に支配される側であった遊牧民を研究しています。