刑事法学、基礎法学、新領域法学
長崎大学
多文化社会学部 多文化社会学科 准教授
河村 有教 先生

私たちのまわりにはさまざまな法律問題があります。香港の人々の自由に対する中国の統制は、個人を尊重する香港法とそれとは異なる中国法の対立です。イギリスでは移民による属人法(シャリア)を国内法に受容するかの問題があります。日本ではジェンダー平等に反する差別の問題が存在しています。これらの問題を解決するためには、国際法や日本法だけでなく、アジアやアフリカの法の理解も含めたグローバルな視点が必要です。
法を当事者の視点で考える力を身につけましょう。そして、人権を保障する法のあり方を考えてほしいと思います。

私は、高校時代に交換留学で1年間オーストラリアへ行きました。その時、文化的他者を理解することの大切さを知りました。大学は法学部で、被疑者や被告人の権利の保障のあり方を考える刑事訴訟法のゼミに入りました。人権を保障する法のあり方や手続の意義を学びました。その後、アジアやアフリカの法に興味を持つようになり、法人類学など多様な視点で法を研究しています。イギリスでの移民問題など、自国の法の理解だけでは解決できないケースも増えており、非西欧法の研究は重要になっていくと考えています。