植物栄養学、化学、バイオテクノロジー
石川県立大学
生物資源環境学部 生物資源工学研究所 教授
小林 高範 先生

もし、あなたがいろいろなことに興味があるなら、進学の際にどれかひとつに決めてしまうのではなく、たくさんの興味を持ったまま進んだ方がいいと思います。私の場合は、無機化学が好きでしたが、無機化学そのものではなく、植物を研究材料とした生化学・バイオテクノロジーに進むことによって、無機化学の魅力も捨てずにこられました。早いうちに興味を絞ってしまうと、進んだ後に違うと気がついても後戻りが難しいことがあります。勉強や学問はとても楽しいことなので、楽しいと思うことはすべて勉強すればいいのです。

高校生の化学、特に鉄や亜鉛などの金属イオンに興味を覚え、化学を学ぼうと決意しました。しかし、大学で勉強する化学は理解が難しかったために、純粋な化学は断念しました。進学した大学は2年次に学部や分野を選ぶことができたので、化学と生物の両方を扱う農学部の農芸化学分野に進みました。研究対象は、植物の中でも多くの人々の主食であり、遺伝子の解析も進んでいるイネにしました。例えば鉄はイネの成長に欠かせない栄養素で、そういったイネの研究を通して高校の時に好きだった無機化学にも携わることができたのです。

官公庁一般職/官公庁研究員/教諭(高等学校)/コンサルティング/調剤薬局