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講義No.10625

ビッグデータから、効率的な商品陳列を考える!

統計学で将来の値を予測する

 経済経営学において統計学は、データを解析して将来の値を予測するためなどに使われます。
 経済・経営に関係するデータとして、企業の株価を考えてみましょう。そのようなデータは、時とともに変動するために「時系列データ」と呼ばれます。例えばランダムに選び出した100人分の身長データのような、時系列ではないデータの場合、1人目が高ければ2人目も高くなりやすい、などの関連性はないと考えられます。しかし時系列データの場合、今日の株価が高ければ明日も高くなりやすい、などというように、未来の値は現在や過去の値の影響を受けていると考えるのが自然です。そのため、時系列データではデータ同士の相関を考える必要があり、複雑なモデル(数式)を使ってデータの動きを表現することが必要です。モデルの一つを提案したロバート・エングルはノーベル経済学賞を受賞しています。

ビッグデータから傾向や法則を見つけ出す

 ビッグデータから潜在的な傾向や法則などの有用な情報を取り出す技術のことを「データマイニング」といいます。例えば、コンビニでは顧客が購買するごとに、いつ・どこの店舗で・どんな商品が・何個売れたという大量のデータが蓄積されていきます。データマイニングの「アソシエーション分析」では、それらのデータから「商品Aを買う人は商品Bを一緒に買う傾向にある」などの相関ルールを見つけ出すことができます。これは商品Aを買った人の中で商品Bを買った人の割合を計算するという、極めて単純な理念を使用します。

膨大なデータを扱うための工夫

 理論は単純ですが、データ量は膨大で、商品の組み合わせも無限に近く、すべての組み合わせで割合を計算するのはコンピュータの力を持ってしても不可能です。そのため、効率的なアルゴリズムを使用して、有益な相関ルールを見つけ出します。こうして、商品Aと商品Bが一緒に買われやすいという傾向がわかれば、それらを並べて陳列したり、在庫を調整したりして、商品管理や売り上げ向上に生かすことができるのです。


この学問が向いているかも 統計学、経済経営学

東京都立大学(旧・首都大学東京)
経済経営学部 経済経営学科 准教授
小方 浩明 先生

メッセージ

 私の高校時代の勉強は大学入試が最終目標でした。正解が用意された問題を、いかに正確に早く解くかを主に考えていました。
 しかし、大学での勉強や研究はそれとはまったく違うものです。答えのない問題を自分で設定するところから始めて、先人が見つけていない答えを探究していくことが求められます。夏休みの自由研究に近いイメージです。答えが出る保証もなく、とても大変な作業ですが、自分の興味のある分野であれば非常に楽しい作業でもあります。あなたもぜひ大学で本当の学問の楽しさを存分に味わってください。

先生の学問へのきっかけ

 小さい頃から算数が好きでした。特に、6歳上の姉が勉強していた「確率」の問題を見たとき、面白いなと思いました。大学では確率の概念と密接に関係している数理統計学の研究室に所属し、時間とともに変動するデータを扱う「時系列解析」、変数同士の相関を記述する「コピュラ」や、方向データなどの周期データを取り扱う「方向統計学」を研究してきました。統計学は経済経営学だけでなく、物理学、医学、心理学などの幅広い分野に関連してくる学際的なトピックで、非常にエキサイティングな学問だと思います。

大学アイコン
小方 浩明 先生がいらっしゃる
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 東京都立大学は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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