夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

TOPへ戻る

講義No.10582

地域社会の誇りとなる演劇の可能性を追究する

演劇による学び

 演劇の学びには大きく分けて2つあります。一つが劇作家や演出家などの演劇人となるための学びです。公演・作品等の企画や制作の手法に加え、基礎的な教養や経営の知識を学ぶことで自立できる演劇人をめざします。
 もう一つが、演劇の手法を用いてコミュニケーション能力を培う教育です。演劇というのは、自分とは異なる価値観を持つ役を演じることで、自分の役割と同時に他者を理解し、相手と意見をすり合わせるための「合意形成能力」を身につけることができます。

演劇が培うコミュニケーション能力とは

 異なる価値観を持った人の行動を理解する他者理解は、現代社会において欠かせない能力です。日本人はコミュニケーション能力が低いと言われますが、これは能力が低いのではなく、能力を引き出す訓練を受けていないためです。将来、社会に出てどんな仕事をするときも、共に活動する中での自分の役割を見出し、共通する目標に貢献することが不可欠で、これが社会で活躍するための最も大事な基礎的能力です。
 演劇では演じる人同士はもちろん、観客とも「イメージ」を共有することが重要です。自分のイメージを相手にうまく伝え、相手のイメージをわかろうとすることで、合意形成のためのコミュニケーション能力が身につきます。また、仲間と作品を創る中でどのように協働して集団をつくっていくかを学びます。

演劇と地域社会を結ぶ

 演劇には、演劇そのものがもつ直接的な役割である人の心を豊かにすることに加えて、教育や医療、福祉などの異なる分野と連携することで、その分野が抱える課題を解決し、人と人、あるいは人と社会をより良い形でつなげる役割があります。さまざまな課題を抱える地域が、持続可能な魅力あるまちになっていくために、演劇を目的として学ぶにせよ、手段として学ぶにせよ、それ単体ではなく広く地域に生かすことによってコミュニティを活性化する新たな可能性があるのです。


この学問が向いているかも 演劇学、芸術学、リベラルアーツ

芸術文化観光専門職大学※令和3年4月開学
芸術文化・観光学部 芸術文化・観光学科 教授 ※教員予定者
平田 オリザ 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 近年、全国各地で芸術祭が注目されています。芸術祭が目標とする一つには、優れた芸術文化に触れてもらうことがありますが、私がフェスティバルディレクターとして関わっている「豊岡演劇祭」は、観光資源の多い地域で、観光振興、まちづくりと連動して行っているところが特徴で、文化観光政策として地域が持つ潜在能力を引き出すことにつながっています。
 芸術祭の成功は単なる来場者数で測れるものではなく、それが地域に新たな価値や財産を生み、地域社会の誇りとなることなのです。

先生の学問へのきっかけ

 もともと劇作家、演出家として作品を創る仕事をしていましたが、一方で劇場経営も行っており、マネジメントに興味を持ちはじめました。海外での仕事が多くなり、欧米では劇場に対して、学校や病院と同じくらいの公共性が認められていることを肌で感じるようになりました。日本でも、劇場の社会的地位を少しでも高めていくために、研究と実践の両方に携わるようになりました。特に、日本のアーティストが自立して活動ができるようになるための講義やワークショップを行っています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

文化施設アートマネジャー/観光事業プランナー・マネジャー

大学アイコン
平田 オリザ 先生がいらっしゃる
芸術文化観光専門職大学※令和3年4月開学に関心を持ったら

 芸術文化観光専門職大学は、令和3年4月に兵庫県の但馬地域に開学する、1学部1学科の県立専門職大学です。本学では芸術文化と観光の2つの視点を生かし、新しい価値を創り出し、地域を活性化できるプロフェッショナルを育成します。
 既存の文化資源の掘り起こしや新たな文化を創出し、それを多様な観光資源と結びつけることによって新しい事業を創造し、地域を元気にする。本学はそんな芸術文化と観光の境を越えて双方を学ぶ日本で初めての大学です。

TOPへもどる