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講義No.10567

水道が危機的な状況!? 私たちの生活に関わる公共政策

更新に130年!

 現在、日本の水道事業は危機的な状況に陥っています。技術者の高齢化による人材不足や技術継承の問題のほか、特に深刻なのは設備の更新の問題です。高度成長期に飛躍的に整備された水道インフラは老朽化の時期を迎えています。すべてを更新するには130年かかるといわれているほどです。
 水道事業者は、更新に回すお金に余裕がありません。人口の減少、家電などの節水機能の向上などから水道の需要が減り、経営が厳しくなっているためです。特に地方の小規模な事業者では経営が大変です。

どんな政策がとられているのか

 政府の財政も厳しいので、これからの公共サービスの運営には官民の連携が不可欠です。これをPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)といいます。そのスタイルは多彩で、業務委託や指定管理者制度、コンセッション(所有権は官、事業権は民)などがあります。特に水道事業に関しては、2019年に改正水道法が施行され、コンセッションを推進しようとしています。これを水道の民営化と呼んだりもしますが、水道の民営化は安全性に不安があるなどの理由により、進んでいないのが現状です。

公共政策から解決法を探ることが急務に

 どうしたら水道事業の効果的な運営ができるのか、どんな政策が有益かを考えることが必要です。いくつかの地域をまとめて規模を大きくし、生産性や効率化を図るスケールメリットは欠かせない視点です。また、人口減少時代となり、コンパクトシティ構想が注目されています。拡散している地域をまとめ、公共施設や商業施設などを集中すれば運営・維持管理を効率化できます。ただ、すべての人の移住が難しい、残された人の利便性が悪化するといった課題も多く残されています。
 水道は生活にはなくてはならないもので、こうした身近なところに経済に関わる課題は潜んでいます。経済や公共政策の観点から解決策を探ることも求められているのです。


この学問が向いているかも 経済学、公共政策学

名古屋市立大学
経済学部 公共政策学科 教授
中山 徳良 先生

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先生がめざすSDGs
メッセージ

 高校では文理選択がありますが、興味関心を1つに絞るのは、まだもったいない気がします。たとえ理系を選択しても、浅くてもいいので文系分野にも広く関心を持ってみてください。将来、進路や就職を決める時には、たくさんの選択肢を手にできることでしょう。
 経済学には、マクロ経済学やミクロ経済学のほかに、都市経済学、環境経済学など多様な分野があります。こうした幅広い視野を持つことで、学ぶ楽しさが広がります。また、経済学は理論をきちんと検証できる学問です。私はその楽しさやおもしろさを少しでも伝えたいと考えています。

先生の学問へのきっかけ

 経済がおもしろいと思ったのは、高校の現代社会での授業でした。GNPの計算方法がわかって楽しくなり、消費や投資のしくみについても強く関心をもつようになりました。大学では経済学を選択し、マルクス経済学、ケインズ経済学、新古典派経済学を一通り学びました。でも、社会を分析するにはグラフや数式で明快な結果を導ける新古典派経済学に惹かれるようになりました。研究では、社会保障に関する年金や医療経済に関することを題材にし、次第に公営企業や公益事業、政策へと対象を広げています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

公務員

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 名古屋市立大学は、医学部・薬学部・経済学部・人文社会学部・芸術工学部・看護学部・総合生命理学部の7学部とそれぞれの研究科およびシステム自然科学研究科からなる総合大学です。
 大学の最も重要な使命は、優れた教育を通して地域および国際社会で活躍する有為な人材を育てること、すなわち「人づくり」です。知識の詰め込みではなく、自ら課題を見つけ、その解決に正面から取り組む姿勢を養うため、本学では、学生と教員の触れ合いを大切にし、演習、実習を重視する少人数教育を行っています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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