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講義No.10542

これからの生き方はどうなる? 社会学で考えるライフコース

将来、どんな人生を送る?

 あなたは自分の将来についてどんなことを考えていますか。将来つきたい仕事に向けて努力している人もいれば、まだ具体的なイメージが浮かばない人もいるでしょう。今の交際相手と結婚したいと思っている人もいれば、そもそも自分が将来結婚するかどうかさえピンとこない人もいるでしょう。

「標準的ライフコース」の形成

 一人ひとりが人生で歩む経歴や軌跡を、社会学では「ライフコース」といいます。日本では、1960年代の高度経済成長期に「標準的ライフコース」が成立しました。それは「学校卒業後に会社に就職し、やがて結婚し、男性は定年までその会社に勤め、女性は専業主婦として家事と育児に専念し、子どもが手を離れたらパートで働く」というものです。こうしたライフコースを歩むことが「標準的」で「幸せ」な生き方だと考えられるようになりました。
 しかしこのライフコースは、あくまで経済が順調に成長していた、そして男女の性別役割分業が自明視されていた時代のものです。今では転職は珍しくなく、専業主婦の世帯よりも夫婦共働きの世帯の方が多数派です。そして、「幸せ」な生き方はこの形だけではないという意識も広がっています。

多様な生き方の実現と社会学

 とはいえ今の日本社会でも、「標準的ライフコース」にとどまらない多様な生き方をしようとすると、壁がまだ存在します。子どもがいる女性が働こうとするとき、保育園の待機児童は大きな問題です。会社に所属しない働き方や結婚しない生き方を安心して選べる環境は、まだ十分に整っているとはいえません。さまざまな生き方が同等の価値をもつものとして尊重され選択できる社会は、まだ実現の途上にあります。
 人々の生き方はどのような条件に左右されているのか、どのようなしくみを作れば多様な生き方が選びやすくなるのか。それらを考えるには、具体的なデータをふまえた上で、家族・労働・意識など多面的に社会をとらえる必要があります。社会学は、生き方をめぐる問題を考える時に力を発揮する学問なのです。


性的マイノリティから考える「普通」

この学問が向いているかも 社会学

帝京大学
文学部 社会学科 教授
久木元 真吾 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたと違う背景を持つ人には社会がどう見えているのか、想像してみてください。すると自分ひとりの問題として抱え込んでいたことが実は社会全体の問題だと気づいたり、深刻にとらえていたことを別の角度から見たら少し楽になったりと、さまざまな発見があるはずです。
 自分自身の日常や生き方と社会とのつながりを考えることは、「社会学的想像力」といいます。社会学はこの社会学的想像力を発揮することで、視野を広げ、多面的な思考力を身につけられる分野のひとつなので、ぜひ興味をもってもらいたいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学進学当初は国際関係論を学ぶつもりでした。しかし勉強するうちに、国家間の関係を外交官のような視点に立って考えるよりも、もっと等身大の視点で社会をとらえたいと思うようになりました。そんな時に、書店で偶然見つけた社会学の本を通じて、幅広いテーマを扱う柔軟なスタイルにひかれ、社会学を学ぶようになりました。また、自分の進路や適性、目標などに迷い続けた経験から、将来に対して見通しが立ちにくい中で、人はどのように決断したり偶然に巻き込まれたりしながら人生を歩むのかに興味を持ち、研究を続けています。

大学アイコン
久木元 真吾 先生がいらっしゃる
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 医療系・文系・理系と幅広い分野の10学部32学科を擁する総合大学です。文系学部を中心とした八王子キャンパスでは、約15,000人の学生が学んでいます。東京多摩丘陵の自然豊かな景観に位置し、キャンパスリニューアルにより新校舎棟「SORATIO SQUARE(ソラティオスクエア)」「帝京大学総合博物館」をはじめとした、施設・設備が整備され、教育指針である「実学」「国際性」「開放性」を柱に、自ら未来を切り拓く人材を育成しています。

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