社会学
帝京大学
文学部 社会学科 教授
久木元 真吾 先生
先生の著書

あなたと違う背景を持つ人には社会がどう見えているのか、想像してみてください。すると自分ひとりの問題として抱え込んでいたことが実は社会全体の問題だと気づいたり、深刻にとらえていたことを別の角度から見たら少し楽になったりと、さまざまな発見があるはずです。
自分自身の日常や生き方と社会とのつながりを考えることは、「社会学的想像力」といいます。社会学はこの社会学的想像力を発揮することで、視野を広げ、多面的な思考力を身につけられる分野のひとつなので、ぜひ興味をもってもらいたいと思います。

大学進学当初は国際関係論を学ぶつもりでした。しかし勉強するうちに、国家間の関係を外交官のような視点に立って考えるよりも、もっと等身大の視点で社会をとらえたいと思うようになりました。そんな時に、書店で偶然見つけた社会学の本を通じて、幅広いテーマを扱う柔軟なスタイルにひかれ、社会学を学ぶようになりました。また、自分の進路や適性、目標などに迷い続けた経験から、将来に対して見通しが立ちにくい中で、人はどのように決断したり偶然に巻き込まれたりしながら人生を歩むのかに興味を持ち、研究を続けています。