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講義No.10517

カテーテルで命を救え!

検査から治療まで

 カテーテルは体内に挿入して使用する細い管です。医療現場には欠かせない医療器具で、素材や太さ、形状も多種多様にあり、用途や目的によって使い分けられています。以前は、心筋梗塞(こうそく)の患者さんの血管に挿入して心内圧を測定したり、心臓の形や血管の状態をX線で撮影するために造影剤を注入するなど、検査と診断のために使うことがほとんどでした。
 また治療は投薬か、重症の場合は開胸手術が一般的でしたが、現在は、カテーテルによる治療が普及しています。心臓カテーテル治療は、先端に医療用の小さなバルーン(風船)をつけたカテーテルを手首や足の付け根から挿入し、狭くなったり詰まったりした血管をバルーンで広げて血流改善を図ります。開胸手術は必要ないので痛みも少なく、患者さんの負担も少なくて済みます。

心停止をECMOで蘇生

 新型コロナウイルスで重い呼吸不全になった患者さんの治療機器として、ECMO(エクモ)が注目されました。これは人工肺とポンプを用いて肺や心臓の代替を行うもので、人体とECMOとをつなぐのもカテーテルです。以前は、大半が心臓手術時の心臓補助として、また救命医療の現場では心停止状態の蘇生手段として利用されてきました。体温が20℃以下の低体温で心停止した患者にECMOを取り付け、取り出した血液を温めて体内に戻すと、体温が少しずつ上昇し、蘇生させることができます。逆に熱中症の場合は、冷やした血液を戻して快復につなげます。

一刻も早い処置のために

 ECMOを車に積んで現場で治療を始めるドクターカーシステムも実際に稼働が始まっており、心停止患者さんの蘇生例も報告されています。これまで病院処置室で行っていたカテーテル治療は、ドクターカーやドクターヘリにより現場での治療も可能になりました。ドクターヘリの現場で外傷患者の止血処置をカテーテルで行って救命することが今の短期目標です。


この学問が向いているかも 医学、救急医学

弘前大学
医学部 医学科 教授
花田 裕之 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 あなたはまだ明確な進路を決めていないかもしれません。もしそうなら、いま興味のあることと、しっかり向き合ってみましょう。そうすればきっと進む道が見えてきます。夢は大きくても目標は短期に設定すること。多少遠回りはあっても、それもステップアップにつながります。
 これからいろいろな場所で、いろいろなことを学ぶと思います。その知識や経験を、いつか地元に還元できる人になってください。救命救急医療の現場で働く医師の立場としては、カテーテルを持ってドクターヘリに乗る人、募集中です!

先生の学問へのきっかけ

 人を相手にする職業につきたいと思い、医学部に進みました。心臓に興味があったため循環器内科に入局。ちょうどカテーテル治療が始まった時期で、カテーテル治療を極める専門医という目標の一方で、派遣先の地域病院当直で求められるのは一般医で、当時の夢は何でも診られる医者になること。それから20年近く、循環器内科の専門医として心筋梗塞の患者を数多く診てきましたが、救急搬送されるまでに心停止してしまう重症の患者さんも多く、早期治療の重要性を痛感しました。現在は救急医療の現場で奮闘しています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

医師

大学アイコン
花田 裕之 先生がいらっしゃる
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 弘前大学は、人文社会科学部、教育学部、医学部、理工学部および農学生命科学部の5学部からなる総合大学で、すべての学問の基礎的領域をカバーしています。
 この総合大学という特性を生かして、本学では教養教育と専門基礎教育を重視した教育を行い、これからの社会に対応できる人材を育成することを目的としています。
 本学の学生は、歴史と伝統のある文化の香り高い弘前市で学びながら、地域の自治体や企業などと連携し、さまざまな活動に積極的に参加しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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