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講義No.10501

外国人との交流だけではない? 異文化コミュニケーションの射程と魅力

異文化コミュニケーションの多様性

 「異文化コミュニケーション」と聞いてどのようなイメージをもつでしょうか。日本では圧倒的に「外国人」、「英語」と結びついたコミュニケーションを想像する方が多いようです。ですが、学問としての異文化コミュニケーションはもっと多様で懐の深い領域なのです。もし「文化=国籍」ならば、「異国籍コミュニケーション」という名称の方が曖昧さはありません。そうでないのは「文化」ということばが国籍や民族以上のものを含んでいるからです。例えばジェンダー、世代、健康といったものと、わたしたちのコミュニケーションに一定のパターンを見出すこともでき、異文化コミュニケーションとして扱うことができます。

病気を抱える人のコミュニケーション

 一例として、がんという病気に関わるコミュニケーションがあります。がんを経験した人からよく聞くことばに「経験した人にしかわからない」というものがあります。病気を抱える人は四六時中「患者」であるわけではなく、具体的なコミュニケーションの場面で、病気についてさまざまにそのやり方を変化させています。上記の発言もその一つです。それはどのような場面で、どのように、それはなぜか。ここに異文化コミュニケーションの視点が関わってきます。

病気をめぐる社会関係を丁寧に紐解く

 わたしたちは「わからない」相手に対してさまざまな反応をとります。例えば、「あの人たち」とわたし(たち)のように線引きし、相手を否定的に評価して納得するということもあるかもしれません。ですが、本当にそのような区別はいつでもあなたとその相手との間にある、動かしようのない「違い」なのでしょうか。わたしたちが時にあたりまえのようにコミュニケーションとして行っていること、それが他者との関係性をどのように形づくっているのか、それを丁寧に読み解くことで、わたしたちが切り結んでいる社会関係を理解することができます。そこから、どのように人びとが共有している病気の社会的イメージがつくられていくのかが研究されています。


この学問が向いているかも コミュニケーション論

順天堂大学
国際教養学部 国際教養学科 講師
岡部 大祐 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「あたりまえ」に驚き、問う力を持ってください。外国に行くことや言語を学ぶことも手段のひとつですが、大切なのは、日常のちょっとしたことに驚き、疑問を持つ力だと思います。例えば自動販売機のコイン投入口の位置について考えたことがありますか。もし高い位置にあると、子どもや車いすの人は手が届かなくて困ると思います。誰の視点からつくられているのでしょうか。なぜ自分はこのような発想をもったのか、あるいはもたなかったのでしょうか。このような、身近な「あたりまえ」に驚く感性、それを問うことを大切にしてください。

先生の学問へのきっかけ

 「きっかけ」という点で言えば、大学生のときに英国にホームステイをした際に経験した、コミュニケーションについて一般に語られていることへの違和感です。例えば、日本では「学校英語は本物ではない」、「実用的ではない」という言説があるものの、実際にはほとんど何の問題もなく理解されましたし、理解もできました。他方、言語は「通じればいい」ということでは全くなく、何をどう表現すべきか(すべきでないか)に関わる社会文化的規範を学ぶ必要性を実感し、異文化コミュニケーション学への関心につながったのだと思います。

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岡部 大祐 先生がいらっしゃる
順天堂大学に関心を持ったら

 順天堂大学国際教養学部は、人を強く思う気持ち「仁」の精神を生かし、社会課題、異文化コミュニケーション、そして健康をテーマに、世界に目を向けたグローバルな視点で問題を解決できる真のグローバル市民を育成します。
 問題が起きている外国に赴き、課題と向き合うだけではなく、それがなぜ起こったのか、どんな仕組みがあれば、解決の方向に向かうのか、そして何よりも、それは誰のために行うのか。そんな人を思うことのできる力を身につけてください。専門知識を学び、国境を越えて誰かを思う人を、私たちは全力でサポートします。

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