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講義No.10411

国同士のコミュニケーションを保つ国際法

日常生活での国際法のメリット

 国際法と言われても身近に感じられないかもしれませんが、実は私たちの暮らしと深い関わりがあります。例えば、スーパーに行って海外産の生鮮食品を季節に関係なく手頃な値段で購入できるのは、世界貿易機関(WTO)協定に基づく貿易ルールが定められているからです。世界遺産を楽しめるのは世界遺産条約に基づき各国が管理しているからで、最短で目的地に行けるのもシカゴ条約に基づく国際民間航空機関(ICAO)が航空機の運行ルールを定めているからです。このように国際法は、生活に多くのメリットをもたらします。

国際法と国内法の違い

 国際法を守らなかった場合はどうなるのでしょうか。国内法であれば、ルールを破った場合の罰則や裁判所での解決などが細かく定められています。しかし、国際法では違反に対して必ずしも罰則が用意されているわけではありません。もちろん、ルールを破った国を国際司法裁判所などに訴えることはできますが、裁判所が事件を扱うためには各国の同意が必要になります。
 国際法が国内法と内容的に相容れない場合、国際社会では基本的に国際法が優先されますが、例外もあります。例えば、日米安全保障条約では敵から攻撃を受けた場合の相互協力・援助が定められていますが、日本は戦争放棄を定めた憲法9条の範囲内の対応に限られます。国際法の目的は、国同士が国際法を通して友好的なコミュニケーションを保つことで、国際社会の秩序を維持することにあるのです。

国際法のデメリット

 国際法にはメリットがある一方で、デメリットもあります。そのひとつが政治の影響です。例えば、中国の反対によって、台湾はICAOや世界保健機関(WHO)から除外されています。また、チョコレートの原料であるカカオの産地では、収穫のために児童が働いています。自由な貿易でチョコレートが流通するほど、児童労働を助長してしまいます。時代や環境の変化で、国際法が古くなることもあります。よりよい国際関係をめざして、国際法も改善していく必要があるのです。

参考資料
1:若者世代が国際法を使いこなす?
2:国際法が私たちの生活を豊かにする?

この学問が向いているかも 国際法学

西南学院大学
法学部 国際関係法学科 准教授
根岸 陽太 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私の専門は国際法です。国際法は、国と国との関係を保つために発展してきたルールです。例えば、日韓基本条約や日米安全保障条約があります。学生の頃に参加した国際会議で海外の学生と議論して驚いたのは、各国の文化や歴史、宗教を超えてお互いを理解し合うために、国際法を世界共通言語として使っていることでした。
 国際法は、各国が良好な関係を保つためのツールです。この魅力にひかれて、今はそれを最大限に引き出すために研究をしています。あなたがこのような国際法に興味があるなら、ぜひ一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学で「国際法研究会」というサークルに入ったのをきっかけに、国際法を考えるようになりました。サークルでは模擬裁判の世界大会にも出場。将来は外交官になりたいと思っていましたが、外交官は国の利益を優先するため、意に反した決断を迫られるかもしれません。もっといろいろな視野で長期的に国際法について考えたいと思い、研究者になりました。国際法の中でも人権について研究しています。国際法は国家間の関係を扱うので、法律の中では異質な領域ですが、国家と人間の問題は第二次大戦後に出てきた現代的な問題でもあります。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

旅行営業/介護事務/食品会社営業/ITシステムエンジニア

大学アイコン
根岸 陽太 先生がいらっしゃる
西南学院大学に関心を持ったら

 西南学院大学では、「Seinan, Be True to Christ」という創立者の遺訓を建学の精神として、時代のニーズに合った教育・研究を実践しています。また、1971年から交換留学制度を開設するなど、早くから国際交流に取り組み、世界で活躍できる人材を育成しています。2020年4月、外国語学部がスタートし、7学部12学科を擁する文系総合大学として、基本理念であるキリスト教教育に加え、時代を先取りした教育プログラム、先進の施設・設備によって21世紀の国際社会に相応しい人材育成を目指しています。

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