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講義No.10396

謎に満ちた無限の和や素数を読み解く「ゼータ関数」

「バーゼル問題」とは

 1を1の2乗で割った数、1を2の2乗で割った数、1を3の2乗で割った数……と平方数の逆数を無限に足していくとどんな数になるのか、という問題を「バーゼル問題」といいます。答えはなんと円周率πの2乗を6で割った数になります。この問題を初めて解いたのは、18世紀のスイス生まれの数学者、レオンハルト・オイラーです。さらにオイラーは、2の2乗を2の2乗-1で割った数、 3の2乗を3の2乗-1で割った数、5の2乗を5の2乗-1で割った数……という素数ごとに決まる数を無限にかけていくと、それが先程の無限和と等しくなることも発見しました。
 素数とは、1より大きく1と自分自身でしか割り切れない整数のことです。それは2、3、5、7、11……ととても不規則に、かつ無限に連なっていきます。理論が支配している数学の世界において、素数はとても異質な存在で、多くの数学者たちを引き付けてきました。

リーマンが生み出した「ゼータ関数」

 19世紀、ドイツの数学者ベルンハルト・リーマンは、バーゼル問題に現れた無限和を拡張した「ゼータ関数」という関数を考えました。そしてリーマンは、オイラーの研究を複素関数論という新しい手法を用いて発展させました。
 ゼータ関数は、素数の謎を解明するために研究されています。一方でゼータ関数は、難解だが美しい性質を持つということから、インターネットのセキュリティなどで用いられる暗号への応用も期待されています。

リーマンが残した大きな謎

 2000年にアメリカのクレイ数学研究所は、「ミレニアム懸賞問題」と称して数学の7つの重要な未解決問題それぞれに対して100万ドルの懸賞金をかけました。その中にはリーマンが提唱した「リーマン予想」という問題も含まれています。これは「ゼータ関数の非自明な零点の実部はすべて2分の1である」というもので、世界中の数学者が長年挑戦し続けていますが現在もなお解決には至っていません。リーマン予想が解ければ数学の歴史が変わる、といっても過言ではありません。


この学問が向いているかも 整数論、解析数論、複素関数論

愛媛大学
理学部 理学科 数学・数理情報コース 准教授
山﨑 義徳 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 大学・大学院では勉強や研究に十分時間をかけて取り組むことができます。長い学生生活を有意義で充実したものにするために、自分の興味・関心のあること、熱中できることを見つけてほしいと思います。
 そのためには、事前の情報収集が重要です。この大学にはこんな先生がいてこんな研究をされている、あるいは、世間では今こんな技術や理論が注目されているなど、広い目でいろいろなものを見てください。大まかでもいいので自分なりに調べて、「これをやるために大学に来たんだ」と自信を持って言えるような悔いのない選択をしてください。

先生の学問へのきっかけ

 私は数学の研究をしています。主な研究分野は数論です。子どもの頃から数が好きで、そろばんや計算問題など楽しくやっていました。高校生のときバーゼル問題と出合い、答えに一見何の関係もない円周率πが出てくる不思議さに心を動かされ、大学でもっと数学を勉強したいと思い数学科に入りました。在学中はいろいろな分野を勉強しましたが、やはり最初に興味を持ったゼータ関数が特に面白いと感じ、今日まで研究を続けています。複雑な計算式を読み解いていくうちに、予想もしない答えが導き出される瞬間が研究の醍醐味です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

中学校教員/高校教員/システムエンジニア

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山﨑 義徳 先生がいらっしゃる
愛媛大学に関心を持ったら

 愛媛大学は、「学生中心の大学」の実現をめざして、学生の視点に立った改革を進めています。そして、すべての学生が入学から卒業までの過程で、自立した個人として人生を生きていくのに必要な能力を習得することをめざしています。そのため本学では、正課教育のほか、正課外のサークル活動(正課外活動)やボランティア活動、留学、下級生への学習支援(準正課教育)等を通じ、その能力を磨くための多くの機会を設けています。あなたの可能性が広がる学び舎、それが愛媛大学です。

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