歴史学
静岡県立大学
国際関係学部 国際言語文化学科 教授
剣持 久木 先生
先生の著書

歴史は暗記物でも、過去の事実の集まりでもありません。イギリスの歴史家E.H.カーは、「歴史は、現在の人が過去に問いかけると答えてくれるもの」と言っています。私たちが疑問をもてば、新しい歴史的事実が浮かび上がるものなのです。
歴史を学ぶと、物事を長期的な視点で見ることができ、また、ほかの国を知ることで自国を客観的に見ることができるようになります。歴史に関わる書物や映画それに博物館など、入り口はさまざまあります。ぜひ歴史に興味をもって、歴史の面白さを楽しんでください。

私は大学でドイツ現代史のゼミに所属していましたが、指導教授が研究休暇で日本を留守にしていた時期に、ドイツ以外の国、とくに第二次世界大戦期のフランスに興味を持つようになりました。当時のフランスについては、戦後長らく、ドイツに占領されたものの「抵抗」していたと言われてきましたが、1970年代になって、実はドイツに「協力」していた実態が、アメリカの学者ロバート・パクストンによって明らかになったのです。私は、それを原書で夢中になって読みました。この経験がなかったら、研究者にはならなかったと思います。

外資系営業/流通海外駐在/在外公館広報/大学院進学研究者/公務員